アルビオン、ワイン醸造を通じた地域貢献へ

粧業日報 2022年6月10日号 2ページ

カンタンに言うと

  • 自社栽培植物の残渣を有効利用
アルビオン、ワイン醸造を通じた地域貢献へ
 アルビオンは6月1日、白神研究所 抽出研究棟・ALBION Shirakami Vineyard & Wineryのプレス発表会を行った。

 主催者を代表して挨拶した小林章一社長は「抽出研究棟は、世界初となる当社オリジナルの亜臨界ジメチルエーテル抽出をはじめ、アルコール抽出など他の一般的な抽出もできる施設となっている。この施設ではヤマ・ソービニオンの種子や組織などから化粧品原料の抽出を行い、果汁からはワインを醸造していこうと考えている。藤里町から『白神山地ワイン』の醸造を委託されたことは、地域貢献を目指す私どもにとって大きな喜びだ。今後はワインの発酵技術からヒントを得ながら、発酵を活かした化粧品原料の研究も進めていく」と語った。

 藤里町では、1990年頃からブドウ栽培が行われ、「白神山地ワイン」は藤里町の特産物であるワイン原料用ブドウを山形県の醸造所へ持ち込み、製造されていた。しかし、ワインの表示基準の変更により、従来通り「白神山地ワイン」とラベル表示できなくなったため、2018年を最後に生産の中断を余儀なくされていた。

 ワインの名称変更は、商品のブランドイメージに直結することから、藤里町の「白神山地ワイン」を復活させるために原料の栽培からワイン醸造までの全てを町で行う新しい「白神山地ワイン」を企画。改めて特産品としてPRしていくとともに、地域活性化につなげるという想いから、今回のリニューアルとなった。

 アルビオンは、2010年に世界自然遺産の白神山地の麓、秋田県藤里町の協力を得て研究所とパイロットファームを設立した。2012年には、藤里町からヤマ・ソービニオンの購入を開始し、ブドウ由来の化粧品原料の検討を始めた。2015年より、ブドウ栽培と化粧品原料開発について藤里町へ相談を始め、2018年から高齢のため廃業したブドウ農家よりブドウの木を譲り受け、化粧品原料の研究のためにブドウの栽培を開始。2021年には、同研究所の一施設として、自社栽培した植物エキスの製造、抽出技術研究、発酵技術研究を行う「アルビオン白神研究所 抽出研究棟・ALBION Shirakami Vineyard & Winery」を開設した。

 栽培技術研究をはじめ、世界初となる同社オリジナルの亜臨界ジメチルエーテル抽出を含む種々の抽出研究を行い、種や果皮、果梗からのエキス抽出や、残渣となる果汁からワインを造り、醸造過程で行う発酵技術研究などを行っている。

 抽出の研究が可能になったことにより、植物栽培から製品配合まで一貫した研究が可能になり、さらなる独自性と効能効果を最大限に発揮できるようになった。また、ワイン醸造技術から発展した発酵研究により、新規性の高い原料開発も可能となっている。

 アルビオンは現在、研究所周辺の2万2763㎡の土地でブドウを栽培し、その品種もヤマ・ソービニオンに加え、シャルドネ、ピノ・ノワールへと広げ、合計3種の研究を行っている。今回、藤里町が企画した「白神山地ワイン」の醸造を委託されたことから、4年ぶりに「白神山地ワイン」が復活し、6月1日よりリニューアル発売されることになった。
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