天真堂、プロテインとオーラルケアが新規受注を牽引

週刊粧業 2022年8月22日号 6ページ

天真堂、プロテインとオーラルケアが新規受注を牽引
 医薬部外品・化粧品・機能性表示食品OEMメーカーの天真堂は、今上期(1~6月)の受注実績が前年と同水準で推移したが、新規受注が例年よりも大きく件数を伸ばした。

 上期の振り返りと今後の成長戦略について、松﨑淳社長に話を伺った。

 ――上期を改めて振り返っていただけますか。

 松﨑 新規の案件に関しては、小ロット受注が多い傾向にあるため、短期的にみれば業績に与えるインパクトとして然程大きなものではなかったかもしれない。しかし、来年・再来年の成長を見据え、お客様の事業成功に今後しっかりと我々が寄り添っていくことで、中長期的な視点でみれば及第点がつけられる内容であったと評価している。

 新規受注の好調を支えた主な要因としては、コロナ禍での健康志向の高まりによって自宅で気軽に摂取できるプロテインが市場規模を拡大しており、そのトレンドを受けてプロテインの製造・開発を得意とする岩手八幡平工場での受注が好調に推移した。

 プロテインの場合、タンパク質の含有量だけでは競争優位を確立することが難しい。岩手八幡平工場では長年にわたり、原料やフレーバーを最適に調合し、溶けやすく飲みやすい高品質なプロテインのNB製品を製造してきた。このような実績があり、OEMのクライアント企業からも味への評価が非常に高く、そこが好調な受注へとつながっている。

 カテゴリーではこのほか、オーラルケアが引き続き実績を伸ばしている。今上期には、新たなOEMストック処方として知覚過敏予防ができる薬用ホワイトニング歯磨きジェル「薬用ソヴール―62」などを追加し、提案の幅が広がったことも新規受注の件数を伸ばす要因となった。

 ――アフターコロナを見据えた今後の成長戦略をお聞かせください。

 松﨑 EC通販で「売れる商品」と「売れる仕組み」を提供することが我々のメインではあるものの、ここへきてバラエティショップを中心に販売するOEM製品の受注実績も増えてきている。

 EC通販の立ち上げにおいては今後、リアル店舗で手に取っていただきやすいデザインや価格での展開も見据えた、マルチチャネルに対応できる商品設計がますます重要になってくるだろう。

 こうしたチャネルの拡大・細分化に対応するべく、今年7月には事業の柱となる「商品コンセプト」に特化したコンサルティングサービスを開始した。

 また、経験豊富な処方開発員を新たに採用し、今後は岩手八幡平工場と東京本社内にあるラボラトリーとの連携強化を進め、商品の開発力をより一層高めていきたい。
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