ラパスジャパン、幹細胞コスメODM・OEMで新提案

週刊粧業 2022年11月7日号 8ページ

カンタンに言うと

  • 「溶解性マイクロニードル」という強みを活かす
ラパスジャパン、幹細胞コスメODM・OEMで新提案
 RAPHAS JAPAN(ラパスジャパン)は、ドラッグデリバリーシステムの一種で、医薬品・医療機器で活用されている「溶解性マイクロニードル」を用いて、浸透力と安定性に優れたマイクロニードルパッチ化粧品の製造・販売事業を展開している。

 同社が新たにODM・OEMの提案を開始した「ヒトサイタイ血幹細胞培養液由来エクソソーム」配合のマイクロニードルパッチ化粧品について、権有利(グォン・ユリ)社長に話を伺った。

 ――「ヒトサイタイ血幹細胞培養液由来エクソソーム」を配合した新たなマイクロニードルパッチ化粧品の主な概要についてお聞かせください。

  サイタイ血幹細胞培養液に含まれるエクソソームは、たんぱく質や核酸・脂質などを内包しており、細胞に取り込まれることでサイトカインの産生や創傷治癒などの効果が期待できる成分であり、サイタイ血幹細胞培養液由来のエクソソームは脂肪など他の組織由来のものと比べ、皮膚と毛髪の再生力が高いことで知られている。

 今回、サイタイ血幹細胞培養液由来のエクソソームを選んだ理由として、脂肪由来と比べてサイズが1/2程度小さいことも要因の1つだ。

 当社が製造する溶解性マイクロニードルは、蚊の針ほどに極めて細い構造体によって物理的に成分を角質層へ入れ、塗って使用する一般化粧品では届けられない場所に成分を届けることが可能だ。

 従来のヒト脂肪由来幹細胞培養液を配合したマイクロニードルパッチ化粧品では、β-グルカンと組み合わせることで保湿力を高め、シワとハリ感の改善にアプローチする。

 一方で、ヒトサイタイ血幹細胞培養液由来のエクソソームを配合したマイクロニードルパッチ化粧品は、エクソソームのサイズが細かいためより皮膚内部へと有効成分が広がっていきやすい。

 そのため、皮膚内部の深い位置にある線維芽細胞を増殖し、コラーゲン産生を促進することが期待され、皮膚の再生力を高めるといったアプローチではサイタイ血幹細胞培養液由来のほうが適しているといえるだろう。

 ――「溶解性マイクロニードル」に関して、今後はどのような研究を進めていきますか。

  溶解性マイクロニードルの研究では、製薬メーカーとの共同研究が既にスタートしている。また、今年7月には当社と浜松医科大学皮膚科、静岡県立大学薬学部の3者で溶解性マイクロニードルの有効性と安全性評価などを行う共同研究も開始した。

 医薬品としての溶解性マイクロニードルはこれまで、薬剤の浸透率とマイクロニードル化できる薬剤の種類にも限りがあるなど課題があった。

 そこで今回の共同研究では、薬剤の浸透率と拡散性を高める新たなアプローチと配合可能な成分の可能性を広げることを目的とし、投与したときの有効性と安全性の評価を行い、新たな治療薬の開発を目指していく。

 この研究は今後、化粧品分野にも応用し、浸透率や拡散性を高める具体的なメカニズムを明らかにすることで、体内でより広い範囲へアプローチできるようになるほか、従来までマイクロニードル化できなかった化粧品成分が新たに配合できるなど、マイクロニードルパッチ化粧品の分野において革新的な研究成果が得られるものと期待している。
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