アンズコーポレーションのODM事業部は、スキンケアライフをアップデートしてもっと前向きに楽しめる未来を切り開くことを目指し、「From now on! これから」をテーマに「第13回 化粧品開発展 東京」に出展する。
最新の研究成果として、自社オリジナルの3D皮膚モデルを用いた実効性評価試験も紹介する。開催初日の11日午後13時30分より、「顧客品質を追求する実効性評価試験と独自の3D皮膚モデル」をテーマに企業セミナーも実施する。
セミナーには山田昌良社長も登壇する。企業ブースでは、3D皮膚モデルを活用したビジネススキームも紹介するという。
肌や暮らしの「アップデート」を
切り口に高品質・高機能化を追求
同社は、「肌」「暮らし」「化粧品ODM」の3つの観点から、これからのスキンケアライフを考え、未来に向けたアップデートの仕方を提唱する。ブースにはスキンケアライフのアップデートを促す製品を展示する。
「肌のアップデート」では、ライフスタイルの変化とこれからのスキンケアに着目し、「美容医療とスキンケア」「官能のアップグレード」「これからの敏感肌処方」の3つのトピックスで製品開発を進めた。
「美容医療とスキンケア」では、美容医療のような高い効果性と化粧品としての安全性の両立を追求した。
「美容医療が一般化してきた時代に、スキンケアにも少し攻めたものが求められてくるのではないか。そんな発想から安全性を担保にしつつ、高濃度にこだわった処方に挑戦した」(同社)
AHAとPHA(次世代型AHA)の組み合わせによる3種のピーリング成分を15%の高濃度で配合しつつ、肌への刺激がない美容液(スキンピーリングセラム)の開発に成功した。
官能のアップグレードでは、「心地よい製剤」をテーマに、同社が開発を得意とするクレンジングバームで、心地よい使用感を追求した。バームの伸びや厚み、溶け心地など様々な切り口の試験方法を構築しながら、「最高に心地よいクレンジングバーム」の検討を進めている。
「クレンジングバームの官能評価を定量的に把握する試験方法の確立はまだ途上だが、その糸口は掴めたかもしれない」(同社)
ブースでは、現在の研究段階で見出した黄金比率で作ったクレンジングバームを展示する。
「敏感肌処方」では、30年以上の敏感肌研究の知見・ノウハウと、微細エマルション化など最新の浸透技術を活かし、敏感肌でもなりたい肌を目指せるセンシティブ美容液「KEY」(メタセンシティブ セラム)を提案する。
「暮らしのアップデート」では、「SDGs」「自分らしさ」「多様性」をキーワードに、持続可能な社会でのスキンケアライフを提案する。
ISO16128に基づく自然由来指数99%を実現したスキンケアシリーズも展示する。シリーズアイテムには、廃棄物として扱われている卵殻を配合したプラスチックや単一素材のプラスチックなど環境に配慮した容器・資材を使用した。23年春には、凸版印刷の減プラ対応容器「チューブなパウチ」に対応する充填ラインを導入するなど環境価値を生み出す生産体制の構築も進める。
「化粧品ODMのアップデート」では、「顧客品質の追求」「環境対応の実現」「LTV(生涯顧客価値)型ODM」を掲げ、自社の強みを紹介する。
ODMでは、独自開発した3D皮膚モデルを用いて、原料から処方まで作用点を確認しながら開発できる体制が整い、実効性の高い処方開発を推進していく。独自の3D皮膚モデルは、ヒト上皮細胞を培養し、3次元に組み上げた表皮・真皮モデル。ヒトの皮膚に近似した3D皮膚モデルなので、表皮・真皮ともに応答性の向上が期待できる。一般的な3D皮膚モデルは評価可能期間が3~4日だが、同社の3D皮膚モデルは12日間の評価が可能だ。長期生成物の検出や、使い続けることで実感しやすいハリ・弾力やうるおいなどの評価も可能となる。
3D皮膚モデルの詳細や活用事例については、展示会初日に企業セミナーも実施する。登壇する山田社長は、「当社は、肌への効果性と安全性の高さを両立させることで顧客品質を追求していく。開発した3D皮膚モデルは、将来的には敏感肌質など様々な肌質を再現して、実効性評価試験を行える体制を整え、高機能化・高性能化を推進していきたい」と話している。
ブースでは、3D皮膚モデルによる実効性評価試験を活用したビジネススキームも紹介する。可能性として、市販されている商品の効果性や、使用量の違いによる効果の差異などを確認することができる。
山田社長は、「それら品質情報を、生活者の肌分析データを結びつけることで、パーソナルニーズに合わせた化粧品や美容法の提案も可能となる」と述べ、展示会を通して、3D皮膚モデルを用いたLTV型ODMの理解を深めていく。