進洋、高付加価値フィルムを幅広く提案

週刊粧業 2023年3月20日号 6ページ

進洋、高付加価値フィルムを幅広く提案
 化粧品に特化したラミネートフィルム専門商社の進洋では、コロナ禍で落ち込んでいた化粧品市場が回復基調へ向かっていることに加え、「環境配慮」「高性能・高機能」「使いやすさ」という3つの観点でラミネートフィルムの付加価値を高める努力を続けてきた結果、今期(23年5月期)実績が過去最高の売上高・経常利益の達成も射程圏に捉えている。

 同社では現在、化粧品用の高付加価値ラミネートフィルムの中でも特に、酸素・水蒸気バリア性に優れた環境配慮包材「脱アルミ箔ハイバリヤーフィルム」の提案に注力している。

 「アルミニウムは、原料のボーキサイトから製錬する工程で膨大なエネルギーが使用されている。製錬のほとんどは海外で行われており、日本で排出するCOが少なければそれで果たしていいのだろうかという問題意識を常々抱えていた。グローバル視点で実効性のある環境への配慮を考えれば、アルミ箔をなるべく使わずに済む包材へと転換していくべきだ」(石井聖一社長)

 脱アルミ箔フィルムはこのほか、アルミ箔を使わずに紙とプラスチックで構成された「紙構成フィルム」と、アルミ箔不使用でも光を通さない高い遮光性に加え、際立つ白さが特徴的な「遮光フィルム」などをラインナップしている。今年10月に開催の「JAPAN PACK(日本包装産業展)2023」では、進化した新しい脱アルミ箔フィルムを提案するという。

 「全国各地のフィルムメーカーや印刷加工を行うコンバーターと連携しながら、クライアントが要望する化粧品クオリティのラミネートフィルムについて根気強く対話を重ね、これを形にできることが進洋の存在意義であり、そうした取り組みの成果が今期の業績に反映されたものと自負している。脱アルミフィルムに関しては今後、製造後3年間未開封でも品質が保持できるアルミ代替フィルムの開発を本気で目指していく」(石井社長)
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