ホシケミカルズ、アジアを中心に新規受注が好調

週刊粧業 2023年4月10日号 19ページ

カンタンに言うと

  • 原料商社の機能活かしたOEMを提案
ホシケミカルズ、アジアを中心に新規受注が好調
 1975年に化粧品原料商社として創業後、1988年に化粧品OEM事業を開始したホシケミカルズでは、2001年よりOEM製品の海外輸出を本格化した。

 OEM製品の海外輸出はこれまで韓国や台湾、中国、タイ、シンガポール、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、オーストラリアといったアジア向けを中心に実績を積み重ね、国内外で700社を超えるクライアントとの取引を行ってきた。

 海外事業部の後藤健一部長は、海外輸出における自社の強みとして、「メイドインジャパンの化粧品をなるべくコストを抑えて作りたいという海外のお客様からの要望を受け、当社では中身だけを製造し、容器や外箱はクライアントからの支給という形でも対応が可能だ。競合他社で支給品の受け入れを断られた海外のお客様が当社を頼ってこられるケースが多く、こうした柔軟性が評価され、クライアントが新たなお客様を紹介していただき、海外での取引先が広がっている」と語る。

 前期(2023年3月期)は、海外企業からの新規OEM受注件数が前年実績を上回り、好調に推移した。

 海外事業部では現在、化粧品の規制強化が進む中国向けの輸出が売上の多くを占め、「新たな化粧品規制に対応できるノウハウがあることも我々の強みだ」(後藤氏)という。

 また、化粧品市場の成長が著しいシンガポール・ベトナム・カンボジア3カ国からの受注が増加し、シンガポールでは現地企業3~4社の新製品を立ち上げ、ベトナムでは新規受注の伸長率が前期比300%となった。

 今後は、オーストラリア向けの輸出を強化していくほか、原料商社の機能を活かして日本で未発売の輸入原料を用いた独自性の高いOEM製品の開発などを進めていく方針だ。

 「オーストラリアは多民族国家で欧州圏、北米・南米圏に至るまで、様々なバックグラウンドを持つ人々に製品を触れてもらえる世界的にも有数のテストマーケティング市場で、時差も少なく営業しやすいところも魅力だ。ユニークでオンリーワンなモノづくりは依然としてニーズが高く、当社が輸入した独自原料をOEMにも活かしていきたい」(後藤氏)
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