RAPHAS JAPAN、溶解性マイクロニードル活用の医薬品を紹介

C&T 2023年6月15日号 30ページ

RAPHAS JAPAN、溶解性マイクロニードル活用の医薬品を紹介
 ドラッグデリバリーシステム(DDS)の一種で、医薬品や医療機器、化粧品などで幅広く活用される「溶解性マイクロニードル」の研究開発・製造販売を手がけるRAPHAS JAPAN(ラパスジャパン)では、第25回 インターフェックスWeek東京で韓国本社のラパスコリアが研究開発を進めている免疫治療薬やOTCドラッグ、ワクチンといった医薬品をメインに紹介する。

 また、今展示会ではラパスコリアがこれまでに開発・蓄積し、韓国で既に安全性や有効性が確認されている医薬品の知見やデータをもとに、日本市場での市販化に向けてラパスジャパンが仲介役となって現在取り組みを進めている「日本の製薬メーカーとの共同開発」「ラパスコリアが開発した医薬品のライセンスアウト」に関してもアピールしていく。

 溶解性マイクロニードルを活用した医薬品の免疫治療薬とOTCドラッグ、ワクチンのメカニズムとしてはいずれも、免疫細胞が豊富な表皮から真皮層へ薬物をゆっくりと注入させることで、少量の抗原で安全に免疫を誘導できるといった点で共通している。

 「筋肉層に薬物を投与する一般的な注射では、急激に抗原を人体に注入することでアナフィラキシーショックや予期せぬ副作用が起こる。また、注射針による痛みの問題や、液体の製剤を『冷凍・冷蔵』で保管・輸送するためのコールドチェーンの確保が必要であること、さらには汚染された注射針による死者が年間130万人を超えるなど、医療廃棄物による課題もある。それに比べて、薬物そのものを針のようなニードル状に成型し、物理的に皮膚の浅い部分へと浸透させる溶解性マイクロニードルでは、皮膚角質層の水分により徐々に溶けて真皮層に抗原が注入されるため、安全に免疫を誘導する。そのため、マイクロニードルは医薬品の中でも特にワクチンが有効的で、既にラパスコリアでは海外の大手製薬メーカーとワクチンの開発を進めている。一般的なワクチン製剤は、保管及び投薬のために専門医療施設と専門スタッフが必要となるが、マイクロニードルのワクチンパッチならば常温流通とセルフ投与が可能で、パンデミックの状況下でも同時に大量のワクチン供給が実現できる。こうしたマイクロニードルとワクチンの関係性は、今展示会での大きな見どころの1つになるだろう」(権有利(グォン・ユリ)社長)



 溶解性マイクロニードルを活用したOTCドラッグに関しては、今年から新たにアメリカ市場でニキビ治療用のマイクロニードルパッチが認可され、市販化している。

 日本市場では現在、化粧品グレードで肌が必要とする美容成分をダイレクトに届ける溶解性マイクロニードルの自社ブランド「ACROPASS(アクロパス)」において、アクネ菌の増殖を抑えるナイアシンアミドと、ニキビ跡の色素沈着をケアするオリゴペプチド-76を配合した「エイシーケア」を展開している。

 「エイシーケアは、大人ニキビの最大の悩みである『ニキビ跡・色素沈着』に着目して開発されたアイテムで、マスク着用によりニキビなどの肌トラブルに悩む人が増加したことに伴い、コロナ禍で好調な売上を記録した。このような反響を受けて、当社ではニキビ跡をケアする化粧品だけでなく、ニキビを治す効果的な医薬品を市場で展開するほうがエンドユーザーにより一層貢献できると考え、今後は実際にアメリカで販売されているOTCドラッグの処方をベースに、日本でも薬機法に則ったニキビに効果的な医薬品として、OTCドラッグの展開も視野に入れている」(権社長)

 化粧品事業の取り組みとしては、皮膚の内側に成分を届ける溶解性マイクロニードルの特長を活かす成分の探索に、より一層注力していく方針だ。

 「マイクロニードルコスメは、皮膚の表面にアプローチする一般な化粧品と比べて香りが特段良いというわけでもなく、塗って気持ちが良くなるものでもないが、『肌悩みの解消』に対する期待感は非常に高く、その役割が果たされなければ2度と買われることはない。マイクロニードルの研究開発と製造販売を行う企業として、栄養分を直接届けるといった意味合いに近い『肌専用のサプリメント』の役割をマイクロニードルが果たすためにも、ヒアルロン酸やレチノールのように皮膚の表面に塗るだけでは効果を上手く発揮できず、肌内部でこそ効果を発揮する成分を発掘し、それをしっかりと肌内部に届けることで肌の悩みを解消していくことが重要なポイントになる。こうした成分に加えて、製造方法や浸透力にもスポットを当て、効果的なマイクロニードルコスメの開発を今後も進めていきたい」(権社長)
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