クロバーコスメイク、海外容器の提案で成約率向上

週刊粧業 2023年8月21日号 9ページ

カンタンに言うと

  • 今秋より越境ECをスタート
クロバーコスメイク、海外容器の提案で成約率向上
 メークアップ化粧品専門の受託メーカーであるクロバーコスメイクは、新規やリニューアルの案件を成果に結びつけることで前期(2022年12月期)は横ばいで着地した。

 「スタッフが着実に力をつけてきており、実りある決算期だった」と語る立岡泰昭社長に今後の戦略について話を伺った。

 ――現在の状況について教えてください。

 立岡 ゴールデンウィーク明けの6月、7月は、業界の動きと連動するように受注の回復傾向が鮮明になっている。

 コロナが収束に向かう中、海外容器メーカーへの立ち合いが可能となり、提携した海外容器を小ロットで提案できるようになった。商品化へのネックとなっていた価格面での折り合いをつけられるようになり、成約率が高まってきている。

 ――競争力強化の取り組みを教えてください。

 立岡 メークアップ専業で小回りの利く当社ならではの強みを活かし、小ロットの製造依頼にも採算性を踏まえつつ柔軟に対応してきたが、ここへ来て大手企業がその領域に参入してきている。

 競争環境は激しくなっているが、新商品の企画開発時にありがちなイレギュラーな事象への対応や迅速な納期対応などに磨きをかけることで競争に打ち勝っていく。

 当社は自然派化粧品を強みとしており、オーガニックやミネラルの処方体系やノウハウを数多有している。それらの優位性を発信していくことも求められるようになってきており、プレゼン能力の向上についても意識して取り組んでいく。

 近年は新たなカテゴリーに挑戦し、ヒット商品も生まれつつある。より肌にやさしい処方などひと手間加えることで、価格競争に巻き込まれないようにしていきたい。

 ――海外の攻略はどのように進めていきますか。

 立岡 この秋に中国・ベトナム・シンガポールにて越境ECを開始する。海外取引用の自社ブランドを立ち上げ、そこを足掛かりに海外のOEM需要を取り込んでいく。ゆくゆくは一般貿易も展開していきたい。

 ――下期以降の取り組みについてお伺いします。

 立岡 メークアップ化粧品専門の受託メーカーというのが当社の立ち位置であり、生命線だと考えている。その領域で存在感のある企業へ進化すべく3年前に中長期計画を策定した。一人あたりの生産性は高まってきており、今後は海外事業の強化、ISO22716に準拠した新工場の建設に取り組んでいく。
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