フェイスラボ、他社が二の足を踏むような手間暇がかかるモノづくりに磨き

週刊粧業 2023年8月28日号 6ページ

フェイスラボ、他社が二の足を踏むような手間暇がかかるモノづくりに磨き
 フェイスラボは、既存先からのリピート受注がやや低調に推移したものの、生産技術や処方開発のレベルアップを進め、従来取り込めていなかった案件や新たな剤型の提案を成約につなげたことで、2023年9月期は前年実績を上回る見込みだ。

 朝比奈謙太社長に成長戦略について話を伺った。

 ――上期を振り返っていただけますか。

 朝比奈 上期は、顧客のニーズに合わせて他社が二の足を踏むような手間暇がかかるモノづくりに取り組み、新たなチャレンジを積極的に進めたことで、従来の生産技術力・処方開発力では取り込めなかった案件を成約に結びつけ、増収増益で着地することができた。

 下期は、リピート受注がやや低調に推移しているものの、巻き返しが図れており、通期では前年実績を上回る見込みだ。

 ――現在取り組んでいることについて教えてください。

 朝比奈 目標を設定し、その目標をクリアしていくことは事業成長を図っていくうえで重要なことだが、実際に定めた目標に向かって着実に進んでいるのか定期的に進捗を確認していくことはそれ以上に重要なことだ。

 主体的に個々人が動ける組織を実現するためには、意思決定や権限を委譲することが欠かせないと考えているが、現状はまだそのような組織体制の構築が不足していると考えている。

 今後数年間は次なる成長への土台づくりの期間と位置づけ、内部体制の強化を最優先に取り組んでいく。

 ここで今一度原点に立ち返りマネジメント体制を抜本的に見直し、チームとしての総合力が発揮できるよう人心一新を図っていきたい。

 ――生産性向上に向けた取り組みについてはいかがですか。

 朝比奈 将来的な受注拡大を見据え、2トンの乳化釜を導入し、生産ラインの増設を行った。充填機等設備の種類も増やし、生産能力は約1.3倍に高まり、対応できる製品の幅も広がっている。

 また、数年後をめどに基幹システムの導入を進める。ビックデータとして蓄積された情報に基づき、適切かつ迅速な意識決定や課題解決が行われることを期待している。

 ――競争力をどのように高めていきますか。

 朝比奈 商品開発力の強化は競争力を高めるうえで不可欠であり、新たな剤型の開発を進めている。CITE JAPAN 2023で披露したスキンケアスティックはその一例だが、その後の反響も想定以上で手ごたえを感じている。

 今後は、営業・マーケティング・開発が一体となった提案営業力に磨きをかけ、さらにスピーディーに取り組めるようなプロジェクト体制をつくっていきたい。

 ――海外市場の攻略をどう進めていきますか。

 朝比奈 海外事業については、規模はまだ小さいながらも年々拡大しており、引き続き、アジア、アメリカにおいてOEM事業の展開を進めていく。

 11月に香港で開催されるコスモパックへの出展を予定しており、展示会への出展を軸に海外での営業活動を強化していきたい。
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