岩瀬コスファでは、高浸透ダブルセラミド製剤「デリソーム CX2」(大日本化成、デリソームは大日本化成の登録商標)の提案を強化している。
微生物由来とコメヌカ由来の2種類のセラミド様物質を、界面活性剤を使用せず安定的に配合した水溶液で、エマルションサイズを100nm以下に調製することで、皮膚や毛髪に対して優れた浸透性を発揮することができる。
スキンケアやヘアケアのほか、スキンケア効果を持つファンデーションなど、メークアップにもおすすめだ。防腐剤フリー・医薬部外品にも対応できるほか、水溶液化しているためハンドリング性に優れており、非常に使いやすいことから、高い評価を得ている。
さらに、敏感肌へアプローチする成分として、セラミドの認知が高まる中で、敏感肌コスメ関連の案件での引き合いが増えている。微生物由来とコメヌカ由来の2種類のセラミド配合を訴求できることから、ナチュラル系コンセプトの化粧品への採用も多いという。
浸透性を確認するための試験では、皮膚3次元モデルに各サンプルを添加し、120分間培養の後、蛍光顕微鏡にて撮影を行った(図1)。その結果、ナノエマルション化により角層の深部まで浸透しやすくなっていることが確認できた。
さらに、マスクによる肌荒れの改善効果を確認するため、普段マスクを着用しており、マスク着用部位に痒みや肌荒れを感じている女性24名(平均年齢45.4歳)を対象として、2週間、朝夜の洗顔後、デリソーム CX2 10%水溶液を塗布してもらい、その後普段どおりのスキンケアを実施する試験を行った。その結果、水分や痒み、赤みにおける改善がみられた。
現在では、マスク着用が緩和されて状況が変化しつつあるものの、コロナ禍以降、敏感肌を自称する人が増えていることから、今後のさらなる拡販が期待される。
また、中国では大気汚染や睡眠に関する悩み等も影響して、敏感肌に悩む層が拡大傾向にあるというが、同品は中文INCIに対応しているため、海外展開にも期待が高まる。
ロングセラー原料であり、人と環境に優しいサステナブルなオリーブ由来スクワラン「PHYTOSQU
ALAN」(SOPHIM、PHYTOSQUALANはSOPHIMの登録商標)の提案にも力を注いでいる。
オリーブ製品市場は、グローバルで今後も製品数、消費量ともに増加し続けることが期待されている。
PHYTOSQUALANに使用されているオリーブは、過度な機械化を行わず、伝統的で効率的な栽培方法を採用しているほか、野生動物の生態に影響の少ない、効率の良い収穫・輸送方法をとっている。
また、国際的なフェアトレード認証を取得しており、現地の雇用をサポートしている。
PHYTOSQUALANは収穫されたオリーブの搾りかすである「ポマース」を粗原料としており、ポマースの供給源を複数持っていることから、安定的に原料を製造することができる。
さらに、PHYTOSQUALAN抽出後のトリグリセリドに関しては、エネルギー業界など、他の業界に提供しており、資源を最大限有効活用することができている。
化粧品での機能としては、TEWL(経皮水分蒸散)抑制効果を持ち、無色・無臭で酸化安定性に優れているほか、シルキーな感触でべたつき・粘着性がなく薄延性に優れている。皮膚の組成とも近いため、皮膚浸透性も高い。
Ecocert、Cosmos認証も取得済であり、エコなサプライチェーンを実現した環境配慮型原料として注目を集めているという。
そのほか、1,2ヘキサンジオールと1,2オクタンジオールの混合物であり、高い保湿性と広い抗菌スペクトルを有する「SymDiol 68」(Symrise、SymDiolはSymriseの登録商標)と同等の機能を維持したまま、100%自然由来を実現した新製品「SymDiol 68 green」(Symrise、SymDiolはSymriseの登録商標)の提案にも力を注いでいる(図2)。
保湿剤・防腐補助剤としての機能を持ち、コンパクトパウダーをはじめメーク用品から、シートマスクやエッセンスといったスキンケア、UVケア、ヘアケアなど、幅広い用途に使うことができる。
「CITE JAPAN 2023の技術発表で紹介し、現在多くのお客様にご検討いただいている。会社方針としてサステナビリティを打ち出している企業も多く、植物由来原料へのニーズは高い。防腐剤フリー案件での引き合いも多い。乳化安定機能も備えており、乳液やクリームに配合いただくと乳化安定性に寄与する」(同社)