化粧品原料商社として1975年に創業し、OEMや容器製造なども手がけるホシケミカルズでは、化粧品製造の全てをワンストップで網羅するモノづくり企業としての強みを活かし、環境配慮をテーマとした化粧品づくりにおいて容器・パッケージや原料の選定、企画開発・製造に至るまで多方面からサポートしている。
同社では、2023年4月より処方開発から原料調達、容器・包装のトータルで環境に配慮したサステナブルな化粧品づくりを支援する「クリーンビューティシリーズ」のOEM/ODM提案を開始した。
クリーンビューティシリーズは、天然由来成分99%の化粧水と天然由来成分100%のマルチオイルの2品で構成され、10項目(パラベン、石油系界面活性剤、鉱物油、エタノール、シリコーン、合成香料、合成着色料、動物由来成分、紫外線吸収剤、旧表示指定成分)を無添加とする処方をベースとする。化粧水はバイオプラスチック素材の容器を、マルチオイルは再生ガラスを一部使用した容器をそれぞれ提案している。
「サステナブルを訴求したアイテムに関してはこれまで、原料販売かOEMのいずれかに限られていたが、クリーンビューティシリーズの展開によってベース処方とサステナブルなPR成分(原料)、容器・包装の3つを選ぶだけで、クリーンビューティコスメのスピーディな製品化が可能になった。シリーズの2品はいずれも当社が中身(バルク)と容器との相性(安定性や経時)を確認しており、お客様にとっては開発に費やすコストや時間の削減につながるメリットがある」(販売推進チーム/広報主任 平地祥子氏)
同社では現在、環境配慮型の容器・パッケージを採用したOEM受注が国内外で増加傾向にあるという。
海外向けのOEM製品で使用される環境配慮型の容器・パッケージは、現地企業と合弁で設立したインドネシア工場において量産化が可能になった石灰石由来のジャー容器をはじめ、FSC認証のロゴとバガスマークを表示できる紙パッケージが採用実績を着実に積み重ねている。
「環境配慮への取り組みが進む海外では、製品のライフサイクル全体でCO₂排出量の削減にこだわるクライアントも多い。CO₂を排出しない全面電気溶融炉で製造したガラス容器はその一例で、オパールガラスとも呼ばれるガラス素材で作られ、濁りがなく美しい白さで高級感を演出できる。このガラス容器は日本で生産されたもので、安定した品質が評価され、海外のOEMクライアントからスキンケア製品で採用されている」(平地氏)
一方、国内向けのOEM製品で使用される環境配慮型の容器・パッケージは、説明書の内容をパッケージ内側に印刷することで、これまで商品とは別に添付していた紙の使用量を削減するケースや、シュリンク包装を廃止してバージンシールに変更することでプラスチック使用量と包装コストを削減するケースなど、外箱からサステナブルの訴求を図るクライアントが特に多いようだ。
外箱に関してはこのほか、再生可能な植物由来の油を原料とした植物油インキを使用したFSC認証紙のパッケージに対し、植物油インキマークとFSC認証マークの両方が表示できることから引き合いが増えているという。
容器に関しては、パウダーファンデーションのレフィル容器をプラスチックの付け替えタイプから製袋品のパウチへと変更することで、プラスチックの削減に加えて外箱が不要で紙資源の削減にもつながることから、採用実績が広がっている。
「国内ではこのほか、サロンやクリニックなどの業務用やホームケア用の店販品にもサステナブルやクリーンビューティを訴求した容器・パッケージの採用が増えている。環境に配慮した容器に関しては今後、実績のある既存品の提案を強化していくとともに、新規の容器についても中身との相性について事前に安定性を我々がしっかりと確認したうえで、OEMと容器をセットにした提案を進めていき、クリーンビューティシリーズで対応可能な容器のラインナップを徐々に増やしていく」(平地氏)