阪本薬品工業、グリセリンの安定供給に向けて設備投資を推進

週刊粧業 2023年10月16日号 56ページ

阪本薬品工業、グリセリンの安定供給に向けて設備投資を推進
 グリセリンの専業トップメーカーで、100%植物由来のグリセリンからポリグリセリン脂肪酸エステルなどの各種誘導体までを一貫して製造・販売する阪本薬品工業ではここ数年、コアビジネスとするグリセリン・ポリグリセリン脂肪酸エステルの安定供給に向けて設備投資を順次進めてきた。

 2020年3月には、赤穂工場(兵庫)において、乳化剤や機能性素材として使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルの製造棟を新設し、生産能力が従来から1.5倍に拡大した。

 「ポリグリセリン脂肪酸エステルは、食品・化粧品・医薬品・工業用など様々な分野で需要が拡大している。新設した製造棟ではハラルとコーシャの認証も取得しており、日本のみならず海外への販売対応も積極的に行っている」(同社)

 2022年3月には、泉北工場(大阪、写真)において、同社の主力原料で化粧品の主剤として使用されるグリセリンの製造設備を新設した。これにより、生産能力は1.5万トンから3.5万トンへ引き上げられた。

 「新たな製造設備では、局方グレードやGMP基準などの厳しいレギュレーションや厳格な管理が求められるトレーサビリティにも対応した製造充填ラインを整備したほか、高品質な製品を安定的に供給するために自動化や省人化も図った」(同社)

 イノベーション・新技術への取り組みでは、名古屋産業科学研究所との共同研究により、グリセリンが角層中の角層細胞に入り水分を蓄え、かつグリセリン及びジグリセリンのいずれもが細胞間脂質の炭化水素鎖の直方晶充填構造にも作用して水分量を制御することで、保湿能を高めているメカニズムを発見した。

 2021年1月に開設したアプリケーションラボでは、グリセリン及びグリセリン誘導体を用いた新たな価値を創出する処方開発に加え、研究開発で得られた最先端の皮膚科学の知見に基づいた情報発信も行っている。
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