日光ケミカルズ、多機能性リゾレシチンの販売を開始

週刊粧業 2023年10月16日号 56ページ

日光ケミカルズ、多機能性リゾレシチンの販売を開始
 日光ケミカルズは5月、皮膚のバリア機能を強化し、毛穴目立ちを改善する多機能性リゾレシチン「NIKKOL LECINOL MFL」の販売を開始した。

 リゾレシチンの中でも、表皮細胞に対する数々の有用性が報告されているリゾホスファチジン酸を高含有しているため、皮膚のバリア機能を補強する効果が期待される。乳液やクリーム、美容液などのスキンケア製剤に最適だ。

 初披露となったCITE JAPAN 2023では、サステナブルな製法で、多角的なスキンケア効果が注目を集め、サンプル請求など多くの反響があったという。

 同社は、シンガポール科学技術研究庁ととともに、長年バイオテクノロジー関連の研究を行ってきており、NIKKOL LECINOL MFLには、その研究の中で開発された「ホールセル酵素技術」を用いている。

 従来品のリゾレシチンは、微生物から単離精製された酵素を用いて製造されるのに対して、NIKKOL LECINOL MFLは、微生物培養液をそのまま反応に用いるホールセル酵素技術によりリゾレシチンが得られる。従来必要だった酵素の精製などの工程を省略でき製造コストを低減させた。また複数の酵素が作用することで反応効率を向上させることができた。

 各種試験データも充実しており、表皮細胞に対して優れた角化誘導作用を示すことが明らかにされているほか、三次元組織ヒト表皮モデルを用いた試験では、表皮モデル中のフィラグリンタンパク質量を顕著に亢進させることが確認され、セラミドの発現に対する促進効果が期待できる。 

 そのほか、摘出ヒト皮膚での試験では、大気汚染物質などの外的ストレスにより生じる皮膚バリア機能の破綻に対しても、保護作用が示唆されたという。さらに、被験者13名による試験では、毛穴を目立たなくさせる効果が確認された。

 「サステナブルかつ新たな技術を採用した原料であり、機能性に関するエビデンスも遺伝子レベルからヒト試験まで幅広くデータを取得していることから、安心して使っていただけるのではないか。今後については、今回確立したホールセル酵素技術を使った新原料など、応用展開を推進していきたいと考えている」
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