いつの時代も資生堂は「美」の力を通じて、人々に喜びや感動を届けてきた。常に次の時代を見据え、新しい美の価値を創造し、多くの商品を生み出しお客さまから支持されてきた。今私たちは「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」を目指し、挑戦を続けている。私はこの先もどんなに時代を経ても、お客さまから常に支持される「新たな美の価値・文化を創造する、“カッコいい”会社」を目指したい。皆さんが思う“カッコいい”会社はどんな会社だろう。イノベーションを通じて新しい市場や商品をつくること。世の中をあっと驚かせるような広告を発信すること。多くの人が憧れる会社であること。私は“カッコいい”会社になるためには常に変わることが必要だと思う。それは、私たちの取り巻く環境は常に変化し、様々な価値観が生まれ、お客さまが求める私たちへの期待も変わり、多様であるからだ。だからこそ、皆さんには常に自己革新を続けてほしい。お客さまに支持される新たな美の価値と文化を創造し続けるために。
資生堂は、企業使命である「BEAUTY INNOVATIONS FOR Å BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」のもと、様々な取り組みを行っている。この企業使命を実現するために必要なことは、多様な価値観から生まれる「イノベーション」だ。ぜひ皆さんの力を発揮してほしい。これから配属されるそれぞれの現場では、昨日まで生活者として資生堂を見てきた新入社員の皆さんだから感じるちょっとした違和感や気づきがあると思う。「新入社員だから」と気後れするかもしれないが、静観ではなく、先輩や上司にも勇気を持って、積極的に行動してほしい。資生堂は「PEOPLE FIRST」という理念を大切にしている。イノベーションを起こす主体であるのはPEOPLE(社員)であり、すべての価値はそこから生まれる。皆さんの多様な意見には、イノベーションの種が宿っているはずだ。既成概念にとらわれず、皆さんだからこそ感じること、「自分らしさ」を大切に、挑戦してほしい。
これから仕事をしていく上で、うまくいかなかったり、仕事の厳しさや人間関係に悩み、苦しんだりすることもあると思う。しかし、皆さんのこれまでの友人関係や経験こそが、きっと大きな力になる。今まで過ごしてきた日々に、自信をもってほしい。私自身、振り返ると、当時は「試練」や「まわり道」だと思っていたことが、すべて自分の成長の糧になっている。私はドイツ、フランス、中東、韓国、中国など、世界の仲間と働いてきた。文化や慣習が違う中で、様々な意見の対立もあったが、世界中の仲間が、同じ志をもって働いていることを実感してきた。
そして今日、皆さんには世界中に約3.6万人の仲間ができた。決して一人ではない。世界中の仲間と共に働くのが資生堂だ。ビューティービジネスという本業を通じて、多くの人々に幸せを届けられるように、明るく、楽しく、元気よく、共に頑張ろう。成長しよう。改めて、入社おめでとう。
この記事は週刊粧業 2024年4月8日号 12ページ 掲載
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