週刊粧業 2024年4月8日号 21ページ
東陽化成は、自社工場にて化粧品・医薬部外品の一貫製造を行っている。
同社では、2年ほど前から設備投資への取り組みを進めている。同社常務取締役の平山友一氏は、「当初はコロナ禍だったため先行きの不安により大きな資金投資に迷いがあったが、そうした中でも設備の導入に踏み切り、2022年から2023年にかけて本格的に設備投資が進んでいる」と話す。
具体的には、昨今の課題である人件費の高騰や製造業における人手不足への対応策として、「人の手間がかかっていた工程を自動化する」設備を導入している。同社はリップクリームやボディバームの生産をメインとしているため、使用している加温式の流し込み充てん機については半自動の設備に切り替えることにより省人化を図った。また、最終工程におけるキャップを締める作業、ラベルを貼る作業においても、人手を介さずほぼ無人化で行うことができる機械を導入したことにより、業務効率化につながっているという。
商品開発の技術力向上という点では、高性能な「蛍光顕微鏡」を導入した。「蛍光顕微鏡」は、マイクロスコープでは難しかった観察を確認できるという。
「すぐに効果が出る工場の設備投資と異なり、商品開発部の設備投資は技術開発をした上で顧客に流通してから効果が発揮されるため、費用対効果はまだ先になるが、長期的な視点で必要と判断し導入に至った」(平山氏)
さらに同社では、本社と工場で異なるシステムを使用していた状況を踏まえ、受注から生産、在庫管理や請求に至るまで一括で管理ができるシステムを構築し、本社と工場で情報を共有し一元管理をするプロジェクトを進めている。
「設備投資には大きな資金が必要なため、投資効果を見極めながら優先順位をつけて対応する必要がある。今後については、老朽化している設備の見直しを行う予定だ。昨今、社会情勢の影響による原材料価格の高騰リスクもあり、市場の動向や社会情勢を注視しながら適切な判断を下すことが求められる。現在いただいている案件を着実にこなしていきながら、さらなる成長に向けた技術開発と設備強化に注力していく」(平山氏)
この記事は週刊粧業 2024年4月8日号 21ページ 掲載
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