カネダ、「サステナブル＋高付加価値」を重視

週刊粧業 2024年4月8日号 18ページ

2024年4月9日 11:00

週刊粧業化粧品原料メーカー

カンタンに言うと

カモミールから抽出したGABAを利用

　カネダは多様な化粧品原料を揃えており、近年のトレンドに着目し、高い機能性、サステナビリティ、エコ特性などを生かし提案を行っている。

　注力製品の1つが「perfectyl biofunctional」（米アシュランド社）で、有機栽培されたカモミールから抽出されており、従来のカモミールエキスと比較してGABAアミノ酸が7倍豊富だ。GABAは、カモミールの花に自然に含まれているが、同原料はカモミールに含まれるGABAを特殊な技術でより多く含有できるように抽出している。GABAは筋肉の緊張やストレスを和らげ、表情ラインを即座にリラックスさせる効果があるため、しわや皮脂バランス、肌の赤み、毛穴にも効果があるという。同原料については、黒人、アジア人、白人3人種でデータを取っており、肌質が異なる人種についても効果があることが証明されている。さらに「溶剤・水を含まない」「COSMOS準拠の防腐剤」「ISO16128自然由来指数99％」といったサステナビリティにも対応している。

　地球環境に配慮した高機能素材として「Ecology Cube」も提案する。同原料は細胞間脂質に働きかける経皮浸透促進素材で、表皮細胞を刺激し、恒常性維持機能を活性化させる。配合により、肌質改善にも効果があるという。

　同原料は、ISO16128における自然由来指数で99％を実現しており、持続可能な栽培・収穫方法を採用した植物油脂の分離残渣から生成したスクワランと植物由来ノニオン性界面活性剤で構成されている。アップサイクル素材を一部採用しているという点でSDGsの達成実現に貢献しており、自然由来を好む消費者へのイメージアップにもつながっている。

　「環境配慮（自然由来指数や生分解性）の原料は引き合いが増えているが、その上で高機能な原料が求められるようになっている」（同社）