日光ケミカルズは、昨今の化粧品原料市場について「サステナビリティや脱炭素化、環境に配慮し、かつ優れた機能を有する製品が求められている」と話す。同社は10年以上前からサステナビリティを考慮した製品開発を推進し、中計の柱の一つにも「次世代技術の開発」を据え、昨年10月には、国内4工場の電力CO₂ゼロ化を実現している。
同社はサステナブルな製品として、皮膚のバリア機能を強化し、敏感肌のサインを改善する多機能性リゾレシチン「NIKKOL LECINOL MFL」を提案する。
表皮細胞への数々の有用性が報告されているリゾホスファチジン酸を高含有している同製品は微生物培養液をそのまま反応に用いる「ホールセル酵素技術」により得られる。大豆油の精製工程で油滓として得られるレシチンを素原料として用いており、同社は「素材が持っているポテンシャルを最大限に活かし、高機能な製品の開発につながった」と話した。
直近では新たに取得した研究データが評価され、ASCS CONFERENCE 2024で「ポスター特別賞」を受賞した。敏感肌の被験者に対し、同製品を配合した製剤の4週間連用試験を実施したところ、角層水分量や経皮水分蒸散量といった基本的な皮膚バリア指標の改善のみならず、スティンギングスコアおよび頬部の赤みや毛穴の開きといった敏感肌のサインまで有意に改善された。また、この結果を裏付けるin vitroのさまざまな試験結果も取得しているという。敏感肌でも使える低刺激の化粧品は市場に多くあるものの、同製品は「敏感肌のサインの改善」が期待できる点が特徴という。
また近年、機能性や安全性を裏付けるエビデンスがこれまで以上に重要視される中、長年細胞試験からヒト試験まで幅広くデータ取得をしてきた。今後もサステナブルかつ安心・安全な製品を安定的に供給してく体制を強化していく。
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この記事は週刊粧業 2024年4月8日号 18ページ 掲載
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