山川貿易は成分が明確なものや、効果・効能がイメージしやすい原料の提案を強化している。今年に入って新たにフランスのエリジェル社の製品の取り扱いを開始した。
エリジェル社は2019年の設立で、クロロフィル由来のフィトールという成分をカプセル膜に活性成分を内包あるいは結合させたPhytoVecシリーズを取り扱っている。フィトールの調達に必要なクロロフィル自体は植物由来の緑色の色素で、安定した供給が可能である。
またリポソームや他のカプセル技術などよりも高濃度で、安定した状態でカプセル内に活性成分を内包することができる。
例えばエリジェル社製品を用いることで、次世代型ビタミンAとして注目されているバクチオールを最終製品で高濃度かつ安定して配合することが容易になる。フィトールのカプセルは分散性にも優れており、処方も簡単で手間がかからない。
エリジェル社は現在、10製品をラインアップしているが、活性成分とフィトールをエステル結合したものと、活性成分を膜の中に内包した2つのタイプに分かれる。エステル結合したタイプは中国に対応していないため、内包したタイプから販売準備を進めている。
すでにバクチオールを7.5%内包した(「PhytoVec Bakuchol 7.5%」)、コエンザイムQ10を5%配合した(「PhytoVec-Q10 5%」)、グラブリジンを2%配合した(「PhytoVec-Glabridin 2%」)の3製品の販売準備が整っている。
バクチオールはレチノールと同様の効果があり、コエンザイムQ10は抗酸化の効果が高いこと、グラブルジンは美白効果の高さが広く知られている。こうした知名度や需要は高いが扱いが難しい成分を化粧品に安定して高配合できることが、エリジェル社のPhytoVecシリーズの魅力となっている。
さらにフィトールは活性成分を高濃度に配合可能なだけではなく、カプセルサイズをコントロールしやすい頑丈な素材でもある。粒子の平均サイズは約200nmで、クリームなどの最終製品でカプセルが残っているかどうかを顕微鏡観察で確認できている。
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この記事は週刊粧業 2024年6月3日号 13ページ 掲載
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