日本色材工業研究所の今期(2025年2月期)第1四半期連結業績は、売上高が前年同期比34.1%増の49億3100万円、営業利益が62.2%増の2億7600万円で大幅な増収増益となった。
今年度の主な取り組みについて奥村浩士会長に話を伺った。
――好調だった第1四半期を改めて振り返っていただけますか。
奥村 昨年後半から今年にかけて各メーカー様からの受注が回復・増加したことに加え、前期に予定していた大口受注が今期にずれ込んだことも好調の要因となった。
現在は、コロナ前に増強したつくば工場で2シフト体制のフル稼働が続いており、一部外注も含めて増産に対応している。
工場の稼働率が上がったことで相対的に固定費の負担率が下がっているほか、原材料費など各種コストの上昇に伴う価格転嫁が徐々に進んでいることもあり、利益面は大きく改善された。
――今期の取り組みについてお聞かせください。
奥村 戦略面では、「コロナからの復活と将来の成長に向けた事業基盤の再構築」から「コロナからの復活・回復のモメンタムを持続し、更なる成長へ」のステージに移行する中で、中期事業戦略ビジョンで掲げる3つの重点戦略(競争優位にある「強み」製品の強化と拡大/クリーン・ビューティーへの積極取組/高収益体質への転換)を、しっかりと着実に進めていくことが重要になる。
特に「クリーン・ビューティーへの積極取組」に関して、日本のメイクアップ市場ではクリーン・ビューティーを全面に打ち出した製品が少ないのが現状だ。
しかし、そう遠くない将来には、こうしたプロダクトに対する国内の消費者の関心も高まると考えている。その際は我々が長年ヨーロッパで培った処方開発力を活かした製品提案が大きなアドバンテージになるだろう。
業績面では第1四半期を終え、通期の連結業績予想について若干上方修正した。2021年の吹田工場の閉鎖により一時的に減員となったが、現在は立て直し、コロナ前を上回るほどの受注に対応している。今後の取り組みとして、設備投資による生産性向上とコスト削減に努めるとともに、協業先との連携を大切にしながら、生産体制を整備していく。
フランス子会社のテプニエ社では医薬品OEMが好調に推移している。今期は医薬品の倉庫改修と生産設備の増強を行い、来期以降の本格稼働を目指す。これにより、安定受注を目論んでいる。
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この記事は粧業日報 2024年8月29日号 5ページ 掲載
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