東陽化成では、自社工場にて化粧品・医薬部外品の一貫製造を行っている。
2024年上期の業績、現在注力している取り組みについて常務取締役の平山友一氏に話を伺った。
――改めて上期を振り返っていただけますか。
平山 2024年上期の売上は、前年と比べるとやや減少したが、下期には回復が見込まれている。特に、ヘアケア市場が拡大したことによりバームタイプのヘアケア製品が売上の底上げに貢献している。
一方で、昨年から原材料の高騰が続いており、価格転嫁のペースが追い付いていない状況であるため、利益率は低下している。また、人件費の上昇にも対応する必要があり、これらの課題に対応するための体制を整えている。
――「環境に配慮したモノづくり」「スピード開発」に関する取り組みについてお聞かせください。
平山 環境対応として、過剰包装の削減や、環境にやさしい容器の採用などを進めている。大規模な取り組みではないものの、できる範囲から地道に環境対応を進めていく方針だ。
スピード開発については、当社は業界内でも比較的早いペースで製品開発を行っていると認識している。しかし、昨今、品質保証が厳しくなり、以前に比べて製造までの期間が長くなっている。
そこで、これまで蓄積してきたノウハウを活用し、成功事例や技術的な知見を他の製品開発に応用することでスピーディな製造を実現していきたいと考えている。
――今後の展望についてお聞かせください。
平山 当社の得意分野であるスキンケア製品、粉末化粧品、色物製品については引き続き伸ばしていきたいと考えている。
特に、粉末化粧品については工場を増設し一層強化していく予定だ。さらに、これまであまり力を入れていなかった医薬部外品についても設備の補強を検討している。
当社は多品種少量生産を強みとしているため、他社があまり手掛けていない分野にも積極的に取り組んでいく。
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この記事は週刊粧業 2024年9月2日号 9ページ 掲載
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