1947年創業でグリセリンの国内トップメーカーである阪本薬品工業は、グリセリンの製造・販売をコアビジネスとし、70年以上にわたって培った販売・研究開発・製造といった独自のノウハウを強みに、グリセリンからポリグリセリン、エステルへと一貫生産することで安定的に高品質な製品を供給している。
グリセリンは、化粧品・食品・医薬品・工業用などの様々な業界で使用されるほか、その高い安全性から環境保全関連商品の原料としても注目を集めている。
「化粧品関連の研究開発では、分子レベルでグリセリンの保湿機構解明に取り組んでいる。また、自社研究所(アプリケーションラボ)で処方の付加価値向上や課題解決もサポートしており、ここまでグリセリンに特化して研究開発を行っている企業は他にないと自負している」(同社)
化粧品原料では、保湿剤として植物由来のグリセリンをベースとしたジグリセリン・ポリグリセリンを、また乳化剤や油剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを製造・販売している。
同社では安定的に高品質な製品を供給すべく、2020年から赤穂工場でポリグリセリン脂肪酸エステルの新製造棟が稼働し、生産能力が従来比で1.5倍となった。2022年には赤穂工場でポリグリセリンのプラントを増設し、ポリグリセリンの製造能力を1.8倍に増強した。また、同年には泉北工場(写真)でグリセリンの製造設備を増設し、生産能力が年間1.5万トンから3.5万トンに増強した。
「拡大するグリセリンとポリグリセリン、ポリグリセリン脂肪酸エステルの需要に対し、確実に製品を届ける生産体制がここ数年で構築された。今後もさらなる拡販へとつなげていきたい」(同社)
この記事は週刊粧業 2024年10月14日号 16ページ 掲載
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