化粧品専門店座談会2024、新しい時代に求められるリアル店舗の価値とは

週刊粧業 2024年10月14日号 8ページ

カンタンに言うと

  • リアルの強みを強化して改装、デジタルとの連動性も意識
  • ――今回は新たな日常への変化に化粧品専門店はどう変わったのか、どう変わっていくべきかについて話し合いたいと思います。自己紹介も兼ねて、直近の新店・改装店でこだわった点についてお聞かせください。
  • ――コロナ禍ではデジタル化も進みました。特にさくら屋さんはYouTubeチャンネル「ピンクバイヤー」が大きな注目を集めています。
  • ECの広がりをチャンスに変え「ここで買いたい」価値の醸成へ
  • ――メーカー・ブランドもデジタル施策を強化し、EC展開も広がっています。お店側はどう捉えていますか。
  • 化粧品販売の価値向上につながるES活動を強化、CS向上も促す
  • ――最後に、今後の化粧品専門店のあるべき姿についてどのような考えをお持ちでしょうか。自店の展望も兼ねてお聞かせください。
  • ――ESの向上では、どのようなことが課題になってくるでしょうか。



化粧品専門店座談会2024、新しい時代に求められるリアル店舗の価値とは

 対面による接客・カウンセリング販売を主とする化粧品専門店業界は、昨年から本格的なアフターコロナを迎え、従来の活動を取り戻している。生活者のコト消費のニーズも拡大しており、化粧品専門店業態に注目するメーカー・ブランドも増えてきている。

 化粧品専門店の価値向上に向けては、若手経営者・後継者で組織される自主運営組織「NCC若手経営者の会」(以下、NCC)が中心となり、全国各店舗の成功事例とされる取り組みを共有し合うことで業界としての価値向上を図っている。

 これからの化粧品専門店のあるべき姿とは何か今回、店舗改装を実施・予定しているNCCメンバー4名(左上から時計回りで株式会社末廣・高橋亮一社長【山形県長井市】、有限会社大野屋・塚原悠介社長【福島県福島市】、株式会社さくら屋・櫻井資也専務、株式会社リバース・坂原達騎ゼネラルマネージャー【静岡県島田市】)の協力を得て座談会を開いた。

リアルの強みを強化して改装、
デジタルとの連動性も意識

 ――コロナ禍を経て私たちの生活は変化しました。今回は新たな日常への変化に化粧品専門店はどう変わったのかどう変わっていくべきかについて話し合いたいと思います。自己紹介も兼ねて、直近の新店・改装店でこだわった点についてお聞かせください。塚原さんの「大野屋」はコロナ禍から仮店舗で運営されていますね。

 塚原 福島駅前で40坪弱のお店を経営していましたが、駅前再開発の影響で、2年前から仮店舗として商業施設S-PALの隣にある商業ビルの2階で運営しています。仮店舗は約100坪の広さで、そのうち2/3を店舗、残りの1/3をバックヤードとして使用しています。

 再開発が遅れており、店舗改装は5年後と少し先になりますが、今から構想を練っています。仮店舗と同様に100坪の大型店舗にすることを計画しています。

 髙橋 当社(末廣/末広)は現在、山形県内で3店舗を経営しています。長井市にある本店では化粧品以外に婦人服やファッション雑貨、ギフト商材、スポーツ用品、学生服なども取り扱っていますが、山形駅前店とイオンモール天童店は化粧品オンリー店「LA.MER(ラ・メール)」として運営しています。

 23年10月に天童店をリニューアルしました。イオンモール天童の開業(2014年3月)と同時にオープンし、全館改装のタイミングでコロナ感染が拡大したため、先延ばしになりました。

 計画から約2年越しとなった改装では2つの点を重視しました。

 1つはお客様の席数を増やすことです。ブランドフリーでお使いいただける座席を増設し、よりお客様に接客できることを考えレイアウトしました。周辺にはお客様が自由に手に取れるコーナーを設けて新商品を中心に配置しています。

 もう1つは、お客様からの店舗の見え方・スタッフの動きやすさです。お店の死角になっていた壁を取り払うことで館の共通通路から店内の様子がよく見えるようにしました。入り口も広げて改装前より入りやすくしましたが、まだまだ改良の余地はあると感じています。

 櫻井 当社(さくら屋)は本店の聖蹟桜ヶ丘店を2024年11月に改装する予定です。

 8年ぶりの改装で、その間、リアル店舗を取り巻く環境も大きく変わり化粧品の購入のされ方など生活者の消費行動も変わっています。

 改装計画では「ネットとリアルの連動性」を意識した、新しい体験型のお店を提案したいと考えています。具体的には、お客様がネットで得た情報を店頭ですぐに体験できるお店です。これまでは店内入口に集客につながるブランド什器を配置することが多かったのですが、お客様の多くがネットやSNSで店舗の取り扱いブランドを調べてから来店されています。

 ブランド認知活動はデジタル中心に切り替え、お客様から見える位置に店内のアイテムを自由に触れたり試せたりできる試し場のようなコーナーを展開する計画です。

 坂原 当社(リバース)は静岡県内でテナント店3店舗、路面店1店舗の4店舗を経営しています。今年4月にはららぽーと磐田に新店をオープンしました。

 コロナ禍でも改装・移転を行いました。4年前の2020年4月に浜北店を移転・改装し、昨年9月にアピタ島田店を拡張・改装しています。

 浜北店の移転・改装はコロナ感染拡大のギリギリのタイミングでオープンすることができました。オープンはできましたが、すぐに静岡県内も本格的なコロナ禍に入り、SNSを活用した活動が主になりました。この時期にオンラインショップも立ち上げています。

 新店のららぽーと磐田店は、既にアフターコロナが見えていたので、改装2店舗とは異なる考え方で、新たな試みも取り入れています。

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