【週刊粧業2024年10月28日号8面にて掲載】 グローバルでグリーンエコノミーが叫ばれている中、環境問題のみならず生物多様性も重要な視点になってきているのはいうまでもない。今回より、これまでの総括と合わせて、化粧品や日用品など消費財業界における、グリーンサプライチェーンにおける生物多様性保全について解いていく。 グリーンサプライチェーンは、環境に配慮した「調達」「製造」「輸送」「廃棄」を行...
【週刊粧業2024年9月23日号9面にて掲載】 いよいよEUで、グリーンウォッシュに関する本格的な規制が始まった。以前の号で法案が起草されたと書いたが、ついに今年の3月に法案が発表された。この規制が出たことで、原料や製品を海外に多く頼る日本ではどのような対応が必要になるだろうか。 化粧品のみならず一般的なマーケティングにおける訴求開発では、製品の機能性だけでなく、近年、気候変動リスク、大気や...
【週刊粧業2024年9月9日号11面にて掲載】 グローバル3大課題のひとつである「汚染(Pollution)」。プラスチックによる海洋汚染や、PM2.5などによる大気汚染などあるが、化学物質による汚染も最近では課題のひとつとなっている。2024年初頭より国連が「Beat Chemical Pollution(化学物質汚染に打ち勝つ)」を掲げ始めた。 有害な化学物質は、空気だけでなく、食品や水...
【週刊粧業2024年7月29日号6面にて掲載】 GSC(グリーンサプライチェーン)の中で、国内のどの業界でもよく行われている取り組みが「廃棄」である。2024年3月に開始されたビジネス学会ICEBIT2024で筆者が研究発表した、国内化粧品大手4社のSCM分析によれば、どの企業もパッケージ戦略が積極的に行われていることがわかっている。 廃棄というと、パッケージ戦略が中心のようなイメージがある...
【週刊粧業2024年7月8日号57面にて掲載】 アニマルウェルフェア(=動物福祉)は、ヨーロッパを中心に広がった志向。エシカル・サステナブル分野でも、近年アニマルウェルフェアが基準のひとつに入ってきている。日本を含めたアジアでは、アニマルウェルフェア分野は非常に弱く、食つまり畜産の分野では先進国の中でワーストと言われている。しかし、ここにきて、日本国内でもアニマルウェルフェアについて取り組み...
【週刊粧業2024年5月27日号9面にて掲載】 化粧品産業で循環経済を達成するためには、前回述べた化粧品パッケージの循環だけでなく、産業全体の循環を目指すのが理想だ。しかし、化粧品産業における産業全体の循環は、国内では非常に難しく、筆者も大きな課題と捉えている。 化粧品産業における産業全体の循環についての基本要素として、一番にサプライチェーンの問題がある。循環経済については、やはり地産地消の...
【週刊粧業2024年4月22日号11面にて掲載】 サステナブル産業開発において「循環経済(サーキュラーエコノミー)」が主流になり、欧米などでは地産地消を意識した効率の良い産業開発が進んでいる。循環経済というと、近年はプラスチックについていわれることが多くなった。確かに、プラスチック容器をはじめとするプラスチック製品の過剰利用などにより、地球規模で生物多様性などに悪影響を及ぼしているのも事実...
【週刊粧業2024年3月25日号4面にて掲載】 第4回「クリーンビューティーの分野で進むEU規制」でも述べた欧州委員会の規制で、今後グリーンウォッシュ回避のエビデンス提示が求められる。そのエビデンスが「認証」になるといわれているのだが、認証は国によって大きく認識や認知度が異なり、特に日本国内では遅れが目立っている。 化粧品のサステナビリティ研究のために行った消費者向け調査(2022年/n=5...
【週刊粧業2024年2月26日号4面にて掲載】 昨年から特に、「ブルーカーボン」というワードをよく聞く。昨年12月にUAEで開催されていたCOP28(第28回気候変動締約国会議)でも話題になった。まだ国内では表面的な理解が多いのだが、グローバルでは、ブルーカーボンとは主に海のCO2吸収源や生物多様性保全という点で注目されている。今回は、ブルーカーボンについて根本的な課題と化粧品業界における取...
【週刊粧業2024年1月22日号7面にて掲載】 第3~4回で述べてきたように、グローバルでマイクロプラスチックに関する取り組みが極めて急務となっている。 国内外問わず、企業が行うサステナブル施策の代表例がプラスチックソリューションとなっている。製造プロセスにおいて、サステナブル転換をするにあたり、容易に転換できる工程がどの加工産業においてもパッケージであることは否定できない。 石油原料の削減...
【週刊粧業2023年12月11日号5面にて掲載】 サステナブル先進国であるヨーロッパでは、欧州委員会が中心となり様々なサステナビリティ戦略、グリーン戦略が提唱されている。産業構造においても、かねてから自然資本が中心に産業が形成されており、それを支えている。 前回(第3回)で述べた海洋プラスチック問題解決のため、欧州委員会は、マイクロプラスチックを意図的に添加した消費財の販売を禁止すると発表した。
【週刊粧業2023年10月23日号10面にて掲載】 陸だけでなく、海の生物ももちろん多様性に富む必要がある。地球の約70%が海ということもあり、生物の70%が海洋生物といわれている。化粧品産業にかかわる海洋原料といえば、海藻やサメを思い浮かべるだろう。サメのヒレなどは、食など様々な原料に使われるが、化粧品ではスクワランがある。サメは多数の種類があり、絶滅危惧種に指定されているものも多い。これ...
【化粧品の環境・社会課題を知る「クリーンビューティー」講座】 生物多様性とは、様々な種が豊富に存在すること。この種とは、ヒトや野生生物すべてのことを指し、野生生物とは動物や植物、昆虫や微生物にまで及ぶ。気候変動やヒトによる過剰な産業開発により、生物多様性は減少し、1970年以来69%の野生生物が減少してしまった。このことから、気候変動に次ぐグローバル課題として注目されている。 化粧品産業では...
【化粧品の環境・社会課題を知る「クリーンビューティー」講座】 2015年の国連サミットでSDGsが採択され、2017年のダボス会議にて、SDGs関連市場が12兆ドルになると予想され、事業と社会課題解決の両立が求められるようになった。グローバルでサステナビリティ・SDGsがトレンドとなり、日本国内でも2019年ごろから話題となる。 2021年の気候変動サミットでは、日本...
長井美有紀
日本サステナブル化粧品振興機構 代表理事
化粧品業界に長く、早くから「環境×化粧品」を提唱。業界・企業・一般に化粧品の環境・社会課題について解く。サステナブル美容の専門家としても活躍し、主に生物多様性と産業について研究。講演や執筆、大学での講義などで幅広く活躍。
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