天真堂・児玉社長に聞く、目指すは「流通革命」のパイオニア

C&T 2016年12月15日号 56ページ

天真堂・児玉社長に聞く、目指すは「流通革命」のパイオニア


VR動画で通販ビジネスに新トレンドを喚起
2020年までに「テンコミ」をメディア媒体へ

 ――クライアントの通販ビジネスをサポートするために、「容器」以外では今後、どのような取り組みを推進していきますか。

 児玉 2016年12月から新たな試みとして、VR(バーチャルリアリティー)技術を活用し、通販の初回購入時にオリジナル3D動画を閲覧できる「VRゴーグル」を同封するサービスを導入予定だ。

 VR動画は本社内のスタジオで制作し、360度動画にも対応している。将来的にはこのサービスを起点に、オリジナル動画を見るために商品をリピート購入するといったような、通販ビジネスでこれまでにない新しいトレンドを生み出していく。

 中長期的には、CH便のプッシュ通知や商品残量の自動感知による定期購入オートメーションシステム、VR動画といったサービス機能を全て専用アプリケーションの「テンコミ」へと集約させ、商品のユーザー同士がその場でコミュニケーションができるSNS機能も搭載していき、最終的には2020年までにテンコミを「メディア媒体」へと進化させていきたい。

 メディア化した「テンコミ」で実現できることとして、例えば歩くインフォマーシャルとしてスマートフォンで通販番組を展開することができる。従来のTV通販では閲覧する場所が限定されてしまうが、テンコミではいつでもどこでも通販番組が自由に閲覧でき、そのアプリケーション内で商品が購入できるようになる。

 また、テンコミではTVCMと比べて年齢や購入商品の情報といった顧客属性がしっかりとセグメントされたうえでインフォマーシャルが展開できる。一例として、育毛剤の購入者という顧客属性のセグメントがしっかりとされていれば、そのセグメントに近い育毛シャンプーの提案をすることで商品購入率が高まり、メディアレーションと効率のいいインフォマーシャルを展開することができるだろう。

 一般的に通販ビジネスのメディアレーション(売上÷広告費)は0.5とされているが、テンコミでは1.5と、広告費を上回る売上げが期待される一発回収型のビジネスモデルが構築できる媒体を目指していきたい。

 テンコミはクライアントの売上拡大をサポートするためのもので、今後はこうしたメディアレーションの高い効率のいい広告媒体をクライアントに提供することも当社でサポートしていく。

 このように医薬部外品OEMから、通販ビジネスや物流といった幅広い事業を当社が1つの窓口で全てサポートできる。天真堂と付き合えばビジネスが成功すると1社でも多くのクライアントから思っていただきたい。クライアントの成長が我々の成長にもつながり、さらにはエンドユーザーとクライアント、製造委託先、そして当社の全てが「四方良し」というビジネスが私の目指す経営ビジョンだ。

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