天真堂、独自性の高い処方開発と原料で差別化

週刊粧業 2019年2月25日号 8ページ

天真堂、独自性の高い処方開発と原料で差別化
 薬用化粧品と機能性表示食品のOEM事業を展開する天真堂では、特許を取得した水溶性の有効成分を肌へ急速に浸透させる経皮吸収システム「TEN‐DDS」をはじめ、独自性の高い処方開発の推進により同業他社との差別化を図っている。

 研究開発における現在の取り組みや今後の事業戦略について、児玉和之社長に話を伺った。

 ――競争が激化する化粧品OEM・ODM市場において、貴社が注力していることは何でしょう。

 児玉 世の中にこれまでなかった全く新しいものを生み出す「開発」と、原料メーカー・商社が持つ独自原料を当社で独占権を取得する「開拓」の2つを大きなテーマとしている。

 このうち、開発では「TEN‐DDS」が昨年特許を取得し、今年は新たにデオドラント効果を高める「TEN‐DEO」と、ニキビケア効果を高める「TEN‐ACNE」の特許取得を目指している。

 大学機関との共同研究も本格化しており、年内には新たな論文や臨床データが発表できる予定だ。

 OEMではこうした独自性の高い処方開発と原料の活用により、他社との差別化を図っている。

 ――今後の事業戦略についてお聞かせください。

 児玉 昨年10月に化粧品の受託製造を行うテイアンドエムを完全子会社化し、今春には吸収合併して当社が製造業許可を取得する。

 さらに、今夏には本社内にあるラボを従来比で2.5倍に拡張し、クリーンルームや保管庫を新設する。

 1000個未満のテストマーケティング用の小ロット製造は本社ラボで行い、1000~3000個の中規模ロットに関しては吸収合併によって取得した自社工場で製造する。

 自社工場では、本社ラボと同時期に設備投資を積極的に進めていく。それ以外の大ロットに関しては、外部委託生産を引き続き行っていき、委託先をより一層拡大していく方針だ。

 今後については化粧品だけでなく、食品の分野においても製造工場を持つ企業のM&Aを行っていくほか、事業分社化も本格的に着手する。

 また、クライアントの海外進出に加えて海外でのOEM展開にも力を入れるため、今年は新たな試みとして海外の展示会へ積極的に出展していきたい。
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