天真堂、有効成分を毛穴の奥まで届ける毛穴浸透技術を開発

週刊粧業 2020年7月13日号 52ページ

天真堂、有効成分を毛穴の奥まで届ける毛穴浸透技術を開発
 薬用化粧品・機能性表示食品OEM受託製造メーカーの天真堂は、有効成分を効果的に届ける独自技術の開発に注力している。

 最新の研究成果について、OEM事業部研究開発部の諸富勝成部長に話を伺った。

 ――最新の研究成果についてお聞かせください。

 諸富 2017年から有効成分を毛穴の奥に浸透させる「HFC(ヘアフォリクルケア)システム」の研究開発に努めてきた。

 当社では既に、有効成分を角層の奥まで届ける特許取得済みの経皮吸収技術「TEN₋DDS」を独自開発しており、美白アイテムや育毛剤に採用している。

 今年は新たに、HFCシステムを活用した「TEN₋ACNE」「TEN₋DEO」という2つの独自技術を確立し、より効果性の高いデオドラント剤やニキビケア製品の提案を開始した。

 TEN₋ACNEは抗炎症や殺菌の有効成分を毛穴の奥に浸透させ、ニキビの原因に直接アプローチする。

 TEN₋DEOは抗酸化や殺菌の有効成分により、毛穴の奥の体臭の原因をブロックする。

 ――研究開発では今後、どのような取り組みを強化していきますか。

 諸富 2019年9月に本社研究施設が従来比で約7倍の500㎡に拡充した。

 これによって、新たに評価試験の機材が導入され、効果実証評価を高精度で行える体制が整ったほか、人員の増強も含めて研究開発の体制が大きく強化された。

 施設の拡充によって化粧品だけではなく、健康食品向けの原料開発も強化され、今年に入り加熱発酵ニンニク粉末「Phagyo(ファジオ)」など独自原料を配合したサプリメントの採用実績が増えてきている。

 当社では得意とする育毛剤などのヘアケア製品をさらに強化すべく、今後は脱毛防止と発毛促進の両方にアプローチする育毛原料の独自開発と、白髪を抑えるために遺伝子へ働きかける新たな作用機序の研究を進めていきたい。
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