東洋新薬、「シワ改善」製品は剤型多様化で好調

週刊粧業 2022年1月1日号 75ページ

カンタンに言うと

  • 海外展開や容器提案による差別化推進
東洋新薬、「シワ改善」製品は剤型多様化で好調
 化粧品と健康食品のOEM・ODMをODEMとして手掛ける東洋新薬は、前期(21年9月期)の売上がグループ全体で前年同期比16%増の303.2億円と大幅に伸長した。

 事業別では健康食品の売上が依然大きいものの、伸長幅は化粧品が勝っているという。

 好調の要因や重点施策の進捗状況について髙垣欣也副社長と小林伸次取締役に話を伺った。

 ――実績が好調です。

 髙垣 化粧品事業は、通販を中心としたリピート注文が好調で、特にナイアシンアミド配合の「シワ改善」を謳える医薬部外品が支持を集めている。健康食品は、自粛生活でダイエット関連の機能性表示食品が注目され、青汁等の受注が増加した。

 小林 化粧品ではカラートリートメントの引き合いも多い。コロナ対策で美容院に行く回数を減らし、自宅でメンテナンスする人が増えているようだ。またテレワーク等の広がりで朝のスキンケアに時間をかけたいニーズから「美白」や「抗炎症」を謳える医薬部外品の「炭酸パック」も伸長した。医薬部外品の「炭酸パック」は国内で当社が唯一提案でき、剤型も柔軟に対応している。

 ――現在の重点施策は。

 小林 前期は「シワ改善」化粧品のアイテム拡充を掲げ、オールインワンやクリームの受注が伸長した。今期はさらなる水平展開を目指し、スキンケア効果も兼備した「クッションファンデーション」なども提案可能となる。

 また海外展開の準備も進めている。中国市場向けに展開した「化粧品・健康食品の情報サイト」にはアクセスが順調に集まっており、現地企業との関係構築に活用していく。ベトナムやタイなど東南アジア向けの商品の開発にも注力していく。

 パーソナライズド処方も、日本と中国の双方で好調だ。中国での認知が少ない領域だが、富裕層のニーズを捉えており今後が期待される。界面活性剤を使用しない「三相乳化」処方は、感触面に加え昨今は環境に配慮できる点も評価されている。

 ――昨秋に併設ラボを渋谷へ移転拡大されました。

 小林 面積も拡大した渋谷のラボには、処方の試作だけでなく、試作品を使った皮膚の測定や検査ができる機器を揃えている。関東近郊のお客様の商品開発を迅速化できると期待している。

 髙垣 今後はさらなる差別化のため、容器の提案幅も広げる方針だ。人材・設備等を強化しながら、品質やデザイン性、コストなどご要望に合致した容器を提案できる体制へと育成していく。
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