資生堂ジャパン 直川紀夫社長 2022年新春インタビュー

週刊粧業 2022年1月1日号 8ページ

カンタンに言うと

  • 日本ローカル市場での長期愛用者拡大を目指す
  • 長期愛用者拡大には顧客ニーズの早期実現が不可欠
  • デジタル活用の環境整備で専門店の強みをさらに深化
  • 専門店と協働して取り組んだ統合型コミュニケーションで成果
  • スキンビューティー領域にフォーカス、ブランド育成やポートフォリオ拡充へ



    資生堂ジャパン 直川紀夫社長 2022年新春インタビュー
    日本ローカル市場での
    長期愛用者拡大を目指す

     新型コロナウイルス感染症は、社会的、経済的双方の視点から、依然として収束が見通せない状況が続いている。一方、国内の専門店流通においては減少傾向にあった来店客数が昨年後半から徐々に増加傾向に転じるなど、市場回復の兆しも見え始めた。

     直川紀夫社長が率いる資生堂ジャパンは、ビジョン「Quality of Beauty Life」を掲げ、「日本ローカルへの集中」のもと、資生堂ジャパンの未来をつくるための基盤構築と長期愛用者拡大に向けて取り組んできた。そして今年、資生堂は創業150周年という節目を迎える。

     次の100年を創る最初の一歩を踏み出す大切な年と位置づけ、前年に掲げた基本方針からブレることなく「日本ローカル市場での長期愛用者拡大」を目指す。

     そこで今回のインタビューでは、2021年の振り返りと2022年の取り組みについて直川社長に話を伺った。



    長期愛用者拡大には
    顧客ニーズの早期実現が不可欠

     ――2021年を振り返っていただけますか。 

     直川 昨年も2020年に続き、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るう中、日本経済も断続的な緊急事態宣言の影響を受け、先行き不透明な状況が続きましたが、まず最初に思い浮かぶのは、とにかく「感謝」という言葉に尽きます。

     コロナ禍という環境下にも関わらず、常に「大切なお客さま」の笑顔を支え、お客さま一人ひとりへ寄り添い続けてくださった専門店さまには「感謝」しかありません。

     また、お客さまや専門店さまの想いに応えるため、今何ができるかを自分たちで考え、できる限りの活動を続けてくれたBCや営業社員の存在が誇りであるとともに、感謝の気持ちで一杯です。

     一方、社会全体ではコロナ禍により多くの生活者のライフスタイルが変わり、私たちの事業環境も変わった、まさしく大きな変化が訪れた1年だったと思います。

     例えば、消費動向では中価格帯から低価格帯へシフトする傾向が見られたほか、一昨年から続くマスク着用の常態化で大きく落ち込んだ口紅やベースメークアップの需要が回復しないなど、これまで経験したことのない様々な困難に直面し続けた日々だったように思います。

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