三葵コーポレーション、近純平専務が社長に昇格

週刊粧業 2022年10月3日号 9ページ

三葵コーポレーション、近純平専務が社長に昇格
 化粧品容器メーカーの三葵コーポレーション(本社工場=愛知県岡崎市)は61期を迎える10月1日、近純平専務取締役が社長に就任した。伊藤博行社長は取締役会長に就く。

 新社長の近氏は、「昨年60周年を迎え、歴史のある会社であるという認識を強くした。『100年企業』に向けて、たくさんのお客様から喜ばれる会社を目指し、それによって社員が幸せを感じられる会社を目指していきたい」と意気込みを語った。

 ――新社長としてどのような成長戦略を描いていますか。

  まずは三葵コーポレーションとして築いてきた化粧品容器事業の基盤をより強固にしていくことに注力する。

 コロナ禍の長期化でメークアップ市場は低迷しており、主力のメーク用コンパクトもその影響を受けてしまっている。今年も材料費や物流費などの高騰で経営環境は改善されていないが、今期(22年10月~23年9月)は業績回復に転じたい。

 ――自社の強みをどう活かしていきますか。

  当社の強みは、プラスチックの成形工場を持っていることであり、製造部門をさらに強化することで持続的な成長につなげていく。

 コロナ前はインバウンドの好景気が続いて、会社の実態が見えにくくなっていた。コロナ禍に入って見えていなかった課題が見えてきた。この2年間はそうした課題に取り組んできた期間でもあった。特に製造部門を中心に業務の見直しを進めてきた。今後はDX化、自動化も意識していく。

 ――目指す会社像を教えてください。

  就任したばかりだが、100年続く企業を意識して経営にあたる。会長の伊藤は社長時代、『少しずつでいいから成長し続ける企業を目指そう』という言葉を私たちにかけ続けてくれた。私も考えは同じで、しっかりと根を張った木のような会社を目指していきたいと思っている。

 根が張っている木はそう簡単には倒れない。幹も太く、新しい枝を伸ばしながら、たくさんの花を咲かせ、多くの人を喜ばせる。当社もしっかりと根を張り、外的要因に左右されない会社、たくさんのお客様に選ばれ、喜ばれる会社を目指していく。

 その目標に向けて、新経営ビジョンを「創る、高める、未来のカタチ」とした。「カタチ」には会社や製品をはじめ様々な未来のカタチという意味合いを込めた。化粧品容器事業を軸に据えつつ、新しい事業のカタチにも視野を広げていく。

 新たな取り組みとして、今期からプロダクトデザイン会社のRYOTA YOKOZEKI STUDIO(本社=東京、デザイナー=横関亮太氏)とタッグを組み、新しい化粧品容器のカタチを生み出していく。まずは既存のコンパクトシリーズの見直しを進め、新製品の開発も一緒に取り組んでいく。

 ――伊藤会長、近社長を中心とした新体制に何を期待しますか。

 伊藤 今まで以上に、どんどん新しいことにチャレンジする会社として、時代を突き進んでもらいたい。

 創業者である父は、自動車のテールランプの製造を生業に30年間経営して私にバトンタッチした。私はその事業を引き継ぎながら、化粧品容器の製造を柱の事業に据えかえたことで今の三葵コーポレーションがある。

 化粧品容器会社としての歩みはこの40年程しかない。しかし、その40年の間に化粧品業界の発展に大きく貢献してきたプラスチック素材は、環境面から悪者扱いになってしまっている。

 こうした状況になって改めて、企業にとって大切なのは時代やニーズの変化に柔軟に対応できるかどうかだと思っている。持続的な成長に向けて新しい道を切り拓いてもらいたい。
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