カンタンに言うと
「低泡性×高洗浄力」の洗浄剤を新開発、省エネ・節水、非生産時間の短縮化を実現
多品種・小ロット生産設備の洗浄効率化の事例・知見も紹介
工業用洗浄剤・除菌剤の開発と製造、販売を行っている理工協産(本社=東京)は、インターフェックスWeek 東京2024(6月26日~28日)にて、化粧品・医薬部外品製造工場が抱える様々な洗浄課題・ニーズに対し、洗浄剤「Fi:ne(フィーネ)」シリーズや自動洗浄(CIP洗浄)などの洗浄技術の紹介を行う。開催初日の26日には企業セミナーも実施する。「化粧品製造設備の洗浄~現状と改善方法~」をテーマにした講演を、午前(10時50分~11時20分)と午後(15時~15時30分)に行う。
同社は、企業ブースやセミナーを通じて、「現在使用している洗浄剤や取り入れている洗浄設備・方法を見直すことで、省人化や作業者の負担軽減などにつながる洗浄アプローチを提案し、化粧品工場の課題解決をサポートしていきたい」と話す。
1946年創業の同社は、長年にわたり乳業・飲料・食品会社向けに工業用洗浄剤・洗浄技術の開発、提案を行っており、取引社数は2300社以上にのぼる。国内4工場・研究部・5支店体制で、洗浄課題となる汚れの分析と、その汚れに対応した洗剤の選定と安定供給、洗浄設備の提案、アフターサービスを提供している。近年は、培ってきた開発力・提案力を活かし、化粧品製造における洗浄課題の解決につながる洗浄剤の開発や洗浄設備の提案を開始した。
化粧品工場の多くは、製造後の乳化釜を洗浄する際、中性洗剤を用いて手洗いで行っている。手洗い洗浄は時間がかかり、生産効率の向上が課題となっている。また、作業者の負担が大きいため、人材の確保・育成に悩む企業も少なくない。
同社は、「日本国内の製造現場では人手不足が深刻化しており、食品工場などでは、生産だけでなく、洗浄まで考慮した設計・設備を導入して環境改善を進め、省人化や作業効率の向上につなげている」と述べ、化粧品業界でも同様の課題を抱える企業に対し、洗浄を起点とした環境改善を提案する。
同社は、化粧品工場が抱える洗浄課題に対し、現状の洗浄状況の調査を行い、調査をもとに製造設備に最適な洗浄方法や洗浄設備を提案する。洗浄条件の試験・効果検証を行い、洗浄試験結果をもとに最終的な洗浄方法を決定・導入する。
提案している洗浄方法・洗浄設備は、乳化釜の汚れに対応した「洗浄剤の選定・提供」、泡洗浄機を用いて噴霧する「泡洗浄」、乳化釜に洗浄液を溜めて攪拌を行う「浸漬攪拌洗浄」、乳化釜のパドル等の形状に合わせてスプレーノズルをつけ循環洗浄を行う「CIP洗浄」(スプレー洗浄)の4種で、導入後、新製品の製造汚れに合った洗浄剤の選定を行うなどアフターフォロー体制も整え、洗浄のトータルソリューションサービスを提供する。
化粧品製造設備向け洗浄剤「フィーネ」シリーズでは、新たに開発した「フィーネAT-1」を中心に紹介する。「フィーネ」は、工場の製造品目に合った洗浄剤を使用できるよう、中性・アルカリ性・強アルカリ性に対応する洗浄剤をラインナップしている。洗浄剤はいずれもスキンケア(油脂)やトリートメント(シリコーン)の洗浄機能を持ち、ファンデーション(酸化チタン・酸化亜鉛)や口紅(油脂・ワックス)などの汚れ落ちに強い洗浄剤も開発・販売している。
新製品「フィーネAT-1」は、「低泡性」と「高洗浄力」を両立したCIP洗浄・部分洗浄機向けの高機能アルカリ洗浄剤で、化粧品製造のあらゆる汚れに対して洗浄機能を発揮する。汚れが落ちる洗剤の多くは泡立ちがよく、泡がスプレーやポンプ送液、すすぎ等の障害になり、CIP洗浄や部分洗浄機による洗浄メリットを十分に発揮しきれていなかった。
そこで同社は、フィーネの特徴である高い洗浄力を維持したまま、泡立ちの起きにくく、すすぎ性のよいアルカリ洗剤のフィーネAT-1を開発した。フィーネAT-1を用いたCIP洗浄により、洗浄時間の短縮や節水、省エネルギー化につながり、企業の環境対応の取り組みも推進することができる。
会場では、化粧品工場への洗浄剤・洗浄設備の導入事例も紹介する。導入した工場からは、洗浄剤の切り替えによる洗浄時間の短縮化や、洗浄方法の変更によるコスト削減につながるなどの評価を得ている。
アルカリ性洗浄剤「フィーネIP」は、ウォータープルーフタイプのマスカラや口紅、UVクリームなどあらゆる化粧品の汚れの洗浄に対応する洗浄剤で、乳化釜の浸漬攪拌洗浄などで採用されている。実際、フィーネIPを用いた洗浄事例では、ファンデーションが付着した樹脂製のホース洗浄(洗浄条件:洗剤濃度5%、洗浄温度70~80度、循環洗浄)で、従来洗剤では60分かかった洗浄時間を、フィーネIPに代えるだけで50分の短縮(洗浄時間10分)を実現した。また、トリートメントが付着した2t乳化釜のCIP洗浄では、洗浄に使用する水と洗剤の量を1/2に削減することができたという。
新工場建設や既存工場の増床・増築のタイミングで、洗浄剤の切り替えやCIP設備の導入を検討する企業も増えている。導入を検討する企業に対しては、泡洗浄機やCIP洗浄用デモ機の貸し出しなども行っており、導入メリットを実感できるサービスも提供している。
「消費者ニーズの細分化・多様化にともない、さらに多品種・小ロット化が進むことが予想される。また、高機能化の推進で、メークアップなどは落ちにくい特徴を付与した製品が増え、洗浄時間が作業負担の大きくなってきている。『非生産時間の短縮化』を意識した取り組みが今後、さらに重要になってくる。洗浄を起点にしたサポートを通じて、工場の様々な課題解決や環境改善に寄与していきたい」(同社)
この記事はC&T 2024年6月17日号 20ページ 掲載
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