化粧品ODM/OEM国内大手の東洋ビューティ(本社=大阪)は、各部署で生産性向上などを目的に改善プロジェクトを推進している。
豊住康広執行役員は、「生活者の様々な肌悩みに対し、課題解決型のODMを推進することで、顧客との信頼関係を構築し、企業ビジョンに掲げる『世界最良のODM企業となる』の実現を目指していきたい」と話している。
2024年上期(1~6月)は、高価格帯シャンプー&コンディショナーの受注堅調に加え、強化しているスキンケアODMで大型案件が動き出し、売上・利益ともに前年同期を上回って推移した。
豊住氏は、「エネルギー価格や原料コストの高騰などコストアップ要因に対しても各部署で業務改善を進めている」と話し、改善成果も収益化の一因に挙げた。
同社は関東・近畿・九州の3エリア・4工場体制で、スキンケア、ヘアケア、ボディケアなどの幅広い製品を製造している。数千単位の小ロットから100万本の大ロットまで対応可能な供給能力を活かし、顧客の在庫リスクの低減や販売機会の損失を防ぐ。
開発では、年間約5000件の製品開発を基にした処方データベースを活用し、スピードアップを図っている。「ナイアシンアミド」など有効成分を配合した医薬部外品の汎用処方のラインナップも充実化し、提案の幅を広げている。
近年は、ライフスタイルとして注目を集めている「エシカル」や「ミニマリズム」の処方開発を強化している。豊住氏は、「省原料化が進み、環境対策にもつながっている」と述べ、今後も開発・提案を強化する考えを示している。
新たな成長領域に位置づけて研究開発を進める「フェムテック・フェムケア」では、独自に確立した美肌セオリーをもとに処方開発を進め、ライフステージに合わせたスキンケアの提案を行っている。
フェムケア市場は、デリケートゾーンをケアする製品やサービスの提案が多いが、豊住氏は、「フェムケア発想のスキンケアにも徐々に注目していただけるようになってきた」と述べ、新たな価値提案に手応えを掴んでいる。
今年は本流のデリケートゾーンケアの領域で、ヒト膣粘膜上皮モデルを用いて独自の安全性試験基準を確立した。豊住氏は、「安全性を担保にフェミニンゾーンをケアする提案も進めていく」と述べ、開発製品については10月に都内で開催される「第3回 Femtech Tokyo」でも紹介するという。
この記事は粧業日報 2024年8月29日号 4ページ 掲載
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