週刊粧業 2024年9月23日号 5ページ
カンタンに言うと
セントラル・コーポレーション(本社=岡山県、笹山博史社長)は、幹細胞培養液とエクソソームの「由来」に着目し研究を行っている。
「臍帯血由来」幹細胞培養液は、世界的な学術誌「ネイチャー」「セル」「サイエンス」で若返りタンパクとして証明されたGDF11が含有されていることに注目し、エクソソームは「元の細胞の情報を伝達する」という性質があることから「臍帯血由来」エクソソームを採用している。
この2つの重要な要素が幹細胞の効果を左右し、「臍帯血由来」「日本人から培養」ということが大きな戦略ポイントとなるという。笹山社長に、幹細胞コスメの最新トレンドについて話を伺った。
――最新の「幹細胞コスメ」に関する研究についてお聞かせください。
笹山 消費者ニーズは「保護」化粧品から、「改善」「効果」を求める化粧品へと移行している。
こうした流れから、医療分野の進歩に合わせて、化粧品もさらに進化させていく必要があることも当然だと言える。
最新の医療分野では、「エクソソーム」が注目されており、これを応用した化粧品の研究を当社でも進めている。
――「エクソソーム」の詳細についてご説明いただけますか。
笹山 エクソソームは、細胞から分泌される、50~150nmの顆粒状物質で、「情報伝達物質」とも呼ばれる。
固有の特性として、エクソソームを分泌した元の細胞の情報を伝達することがわかっている。そのため、エクソソームが「どの細胞由来であるか」は、とても重要なポイントだ。エクソソーム配合化粧品の販売戦略を考えるうえでも、「どの細胞由来か」「成分濃度は」といった点が大きな意味を持つ。
――エクソソーム配合の化粧品も増えてきているように感じます。
笹山 確かに近年増えてきているが、その多くは海外製の脂肪由来のエクソソームを配合したものだ。
「脂肪由来」は論文数が多いため、採用企業が多いのも理解できる。ただし、「脂肪由来」がこれだけ増えてくると、差別化がなかなか難しくなってしまうのではないかと懸念している。
一方で、当社のOEM先からは「『日本人由来』の原料が良い」という強い要望もお聞きしていた。
そこで当社ではこのほど、日本のとある研究所と提携し、日本人から採取された「臍帯血由来」エクソソーム原料の開発に成功した。
日本人由来の「臍帯血由来」エクソソームは、当社の幹細胞培養液研究の1つの到達点だと考えている。新原料では、全成分表示に「ヒトサイタイ血由来幹細胞エクソソーム」と表示できる。臍帯血由来のエクソソームの表示名称は、日本で初めて当社が登録した。化粧品業界に新たな道を切り拓いたと自負している。
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この記事は週刊粧業 2024年9月23日号 5ページ 掲載
■特集/幹細胞コスメ(OEM・原料)~由来・濃度訴求の市場から脱皮へ◎セントラル・コーポレーション~豊富なエクソソーム含有量を誇る国産の「臍帯血由来」エクソソームで差別化を◎ホルス~エクソソームの需要の高まりに対応、ヘアケアは多角的アプローチを重視◎アンチエイジング~老化抑制が期待できる原料を提案、医療機関向けの原料供給も開始◎NISSHA~幹細胞培養液もニードルで角層まで浸透、専門原料会社...
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