逸品・新技術(OEM編)、独自性求められる中、イノベーションで市場活性を

週刊粧業 2016年1月1日号 55ページ

逸品・新技術(OEM編)、独自性求められる中、イノベーションで市場活性を
 「最近は面白いだけでは見向きもされない。エビデンスがあり、確実に売れる製品をつくる技術と企画性がOEMメーカーにも求められている」

 あるOEMメーカーの社長が、今年初めに周辺動向についてこのように語っていた。それを裏付けるように、ここ最近、研究開発に力を入れて新技術を生み出す動きがOEM・ODMにおいても活発化している。

 大学や研究機関と連携を強化して研究型OEMを打ち出したり、素材から新しい製品を開発したりといったことも、差別化の一環だ。

 これまで、「天然由来」だけで付加価値となっていた製品も今は普遍化し、さらなる独自性が求められている。これに対して、「機能性の高さ」や「テクスチャーの良さ」などを+αの価値に提案する傾向が強まっており、OEMとしても対応していくことが自社の技術力、開発力を高めるうえで必須となるだろう。

 こうした昨今の状況は、化粧品業界や生活者にも大きな利益をもたらしている。研究開発力が向上し、多くの新技術が生まれれば、それだけ製品の付加価値を高めることができる。

 例えば、「安心・安全」ニーズが高まり、肌にやさしい処方が生まれれば、生活者を満足させられる。今では一般的になった様々な技術は、そういった日々の研究から生まれたイノベーションだ。

 さらに、直近では「ハラール認証」もある。外国人観光客が年間2000万人近く訪れるようになり、中にはムスリムの観光客も多くいることから、ホテルのアメニティにも配慮が必要になった。

 現在、国内でハラール対応できる工場はまだ数えるほどしかないが、同認証は「健康的、清潔、安全、高品質」の証でもあることから、今後広く一般に認知されれば対応工場も増えてくる可能性もある。

 コストダウンもモノづくりにおいては重要なことだ。しかし、新たな技術や製品、価値に対してはきちんとそれ相応の評価をしていかなければこれ以上の市場成長は望めまい。

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