【週刊粧業2020年1月27日号4面にて掲載】 弊社の会議で化粧品の新製品情報をシェアする場合、「売れた」「ネットで話題」などではなく、単純に新しい企画として面白いかどうかを重視しています。他の人が見ないところからアイデアの種を見つけることが商品企画の仕事のコツですから。今回は12月の会議の中から「こんな手があったか」という声が多かった新製品を3つご紹介します。 1つ目の、頭にかぶるトリート...
【週刊粧業2019年10月28日号12面にて掲載】 最近、サステナビリティ(持続可能性)という言葉を目にしない日はないですよね。レジ袋廃止やファッションブランドのショッパーの紙化など、生活で実感することも多いのではないでしょうか。 日本では「エコバッグでちょっと良いことした気分」という意識ですが、一方でNYでは「ビニールの袋を持っているとむしろ恥ずかしい」と、欧米と日本では温度差がある、と言...
【週刊粧業2019年9月16日号6面にて掲載】 デジタル広告やSNSマーケティングのパワーの加速によって、企業の規模に関わらずどんな会社でもヒット商品をつくれる可能性が高まってきました。 とはいえ、デジタルマーケティングのチカラをみんなが使えるようになった今、メーカーの担当者が求めるのは、広告をしている時だけの一過性のヒットではなく、継続的に売れるモノをつくりたいということです。 確かに「広...
【週刊粧業2019年8月5日号5面にて掲載】 ファッション・ヘアなど女性にまつわる市場で、サブスクリプションサービス需要は上昇しています。 例を挙げると、6800円でスタイリストが選んだ洋服が借り放題の「エアクローゼット」、月額1万6000円でどこの提携美容室でもシャンプーできる「MEZON」などは気になる人も多い模様です。 化粧品業界にもサブスクリプションサービスは存在します。ただし、化粧...
【週刊粧業2019年7月15日号6面にて掲載】 「1330億」という数字にどんな印象を抱きますか? フリマアプリ最王手メルカリの市場規模は、1330億円(2019年6月期第3四半期)だそうです。うち「メーク美容」は6%を占めます。 私は、中古市場に化粧品は無関係だと思いこんでいました。しかし、今のフリマアプリで売れられているものは、中古品ではないのです。売れ筋真っ最中の状態の商品、言ってみれ...
【週刊粧業2019年5月27日号6面にて掲載】 化粧品企画はエッジのある言葉を考えられるかという点がとても重要です。難解すぎる造語だと理解されませんし、平易すぎると印象に残りにくい……といったように、わかりやすいけどオリジナリティがあるというのが条件となります。 たとえば、資生堂「エリクシール」の「つや玉」。最初は無理やり感があった気もするのですが、ていねいに訴求し続けたことで、消費者の認知...
【週刊粧業2019年4月29日号4面にて掲載】 今回は、女性のメークとファッションの関係についてお話ししたいと思います。最近の女性トレンドの動きが少し特殊で、美容とファッションが別々の流行をたどっていることにお気づきでしょうか。 女性潮流研究所では、女性トレンドの定点観測を15年近く続けていますが、今の状態は非常に珍しいのです。 最近の雑誌の見出しを見てみると、「メイクがちぐはぐな子、実は多...
【週刊粧業2019年3月25日号6面にて掲載】 私は化粧品メーカー以外の企業(製薬会社や食品)で化粧品の企画のお手伝いをすることも少なくないのですが、化粧品というのは独特な消費財だということを理解していただくことはとても難しいと感じます。 他との違いは、「お客様の願いを叶える」というのが大きな使命だということではないでしょうか。「これを使えば人生変わってしまう」まではいかないにしても、「これ...
【週刊粧業2019年2月25日号15面にて掲載】 弊社で行っている「化粧品企画塾」では、化粧品企画キャリアや美容編集者などの有識者による新製品の分析会議を行っています。今年の1回目に話題になったのが、「和コンセプト」の盛り上がりでした。 一部をご紹介すると、「SUQQU マスキュレイトマッサージ&マスククリーム 生姜爽香キット」(1月1日限定発売)、「ピエール ファーブル デルモ・コ...
【週刊粧業2019年2月4日号4面にて掲載】 「平成が終わる」ということで、平成の象徴的なワードのひとつでもある「モテ」についてお話ししたいと思います。 「モテる○○」のようなコンセプトが、最も世の中にあふれていたのは平成ど真ん中の2005年(平成17年)頃です。当時の「モテ」と今の「モテ」はだいぶ違うということは、化粧品事業に関わるみなさまには是非とも知っておいていただきたいのです。 20...
【週刊粧業2018年12月10日号10面にて掲載】 こちらのコラムでは、女性潮流研究所の女性誌の見出し分析から化粧品ビジネスのヒントをご紹介しています。まずは頭の体操です。これらの見出しであなたが気づいたことは何でしょう? 「美顔器は痛いくらいがちょうどいい(美ST 12月号)」「最適『たるみ原因つぶし』で10歳若見え!(からだにいいこと12月号)」「『皮膚ねじり』で20代の美腹が手に入る...
【週刊粧業2018年11月12日号5面にて掲載】 女性の顔に変化が起きています。「目は大きければ大きいほどいい」という時代が長かったのですが、最近はそうではないものが重要視されています。 例えばMAQUIA 11月号では、「人中短縮メークで小顔も、美人バランスも」のように、「人中」というマニアックな部分に着目されています。 そういえば、ちょっと前は「透明感」「こなれ感」「モテ」などの定量化で...
【週刊粧業2018年10月1日号12面にて掲載】 「実は白髪染めテクノロジーが凄いことになってる!(STORY 9月号)」と、今年は女性向けメディアで白髪ケアが続々とクローズアップされています。 たとえば花王が4月に出したのは、100%天然由来の着色成分『黒髪メラニンのもと』だけで染める新ヘアケアブランド 「Rerise」です。白髪に黒髪色を取り戻す【リ・ブラック】と、白髪を自然なグレーに整...
【週刊粧業2018年8月27日号6面にて掲載】 ちょっと前に、女性たちの消費動向でアパレル支出を化粧品支出が初めて上回ったというニュースがありましたね。改めて化粧品ビジネスの競争相手は化粧品業界内とは限らないということを実感しました。 最近の女性誌の見出しですが、「ティファニー、カルティエ、ハリー・ウィンストンetc.『そろそろ本気で』投資したい憧れジュエリーの誘惑♡(andGIRL 7月号...
【週刊粧業2018年7月30日号4面にて掲載】 20年ほど前、日本の化粧品業界のメインターゲットといえば「若者」でした。ちょうど人口の多い団塊ジュニア層(1971年~1974年)や元気なバブル世代(1965年~1969年)を指していたわけですが、それぞれ42歳~45歳、47歳~51歳とすっかり中年世代になりました。 多感な時代に消費の現場でちやほやされたこの層は、中年になっても積極的に新しい...
【週刊粧業2018年6月25日号4面にて掲載】 皆さまは、SNSでトレンド情報の収集をしていますか?マメにチェックしている方は、今年前半に流行った「#限界コスメ」をご存知ですよね。「真実の#限界コスメ」(non-no 6月号)、「米のとぎ汁で洗顔!」「レフィル直塗り!」etc、「極力お金をかけずにキレイになるスゴ技集めました! それでも可愛くなれる『限界コスメ』『限界美容』!」(andGIR...
【週刊粧業2018年5月28日号5面にて掲載】 今年は美白の強力新製品が続々と登場していますね。今回はますますレッドオーシャン化する美白市場で勝ち抜くために、最新の消費者インサイトを女性誌の見出し記事を事例に挙げながら紐解いていきたいと思います。 美容業界的には2013年に起きた「白斑問題」によって美白は「シミを薄く」という訴求が減って「全顔の印象を明るく(くすみをクリアに、透明感 アップ、...
【週刊粧業2018年4月30日号5面にて掲載】 この春の美容トレンドでは、メークやスキンケアよりもヘアが注目されています。雑誌の見出しにも続々と登場し、「事実、モテる女はみんなボブだった!(CLASSY. 4月号)」「最近、人気有名人がこぞって挑戦し、話題になっているヘアスタイルといえば、ボブ! でも、 自分に似合うのはどんな形? 気分も印象も変わる!『好感・ボブ』カタログ(美的 4月号)」...
【週刊粧業2018年3月26日号6面にて掲載】 今まさにお悩み中の方も多いと思いますが、いよいよ花粉のピーク到来です。花粉対策といえば薬が真っ先に思い浮かびますが、最近は女性市場で花粉対策が熱くなっていて、今年の女性誌にはそれに関する記事がたくさんみつかりました。去年はそれほど目立っていなかった現象として「どうせ花粉症になるなら、楽しく可愛く立ち向かおう」という提案が目立ちます。 『正しい知...
【週刊粧業2018年2月26日号4面にて掲載】 企画コンサルタントとして25年、いろいろな企業様と一緒に成功や失敗の体験を重ねてきました。最近、成功する化粧品ブランドがどうやって生まれて育っていくのかが、肌感覚でわかってきた気がします。 理想は、世の中にない画期的な新技術を搭載した新製品で爆発的な大ヒットを生み出すことだと思いますが、そんな技術はめったに生まれません。でも、化粧品業界に、次々...
【週刊粧業2018年1月29日号12面にて掲載】 「化粧品、婦人服上回る 17年世帯支出が逆転へ」という昨年末の日経新聞の記事に驚いた方も多いのではないでしょうか。 「バブル真っただ中の1990年、『婦人服』の年間支出は6万3500円だった。高額品でも流行に敏感な女性が購入した。この年の『化粧品』は2万9000円台と半分に届かなかった。17年の化粧品の支出は1~11月で2万6806円。2万6...
【週刊粧業2017年11月27日号5面にて掲載】 今年の化粧品業界で私がいちばん印象が強かったのは、百貨店ハイブランドの勢いが戻ってきたことです。 ドラッグストアや通販など、背伸び系の買い物よりも、身の丈にあった買い物をしたいという気分が長年続いていました。もちろん今もそれは変わりません。 ちょっと前の時期である2014年~15年くらいには、Twitterやまとめサイト、メーク動画のブームだ...
【週刊粧業2017年10月31日号5面にて掲載】 季節の変わり目がやってくると、肌トラブルも起きがちです。そんな時にどんなケアを提案すればいいのか? それが今回のテーマです。 まずは、バリアケアを取り上げましょう。去年と今年の春には、花粉やホコリや紫外線、はたまた流行りのPM2.5からも防御するケア製品が続々と登場しました。続いて秋には商品名がそのものズバリ「バリアケア」というのが2品現れて...
【週刊粧業2017年9月25日号10面にて掲載】 「ルッキズム」という言葉をご存知でしょうか? 「容貌による差別または他者を差別する段階にまで至った外見至上主義」という意味です。「イケメン」「ビミョー」などが流行語になったのは2002年ですから、この15年で日本では外見至上主義の傾向が強くなっていることがわかります。現在、その傾向はさらに加速しています。 原因として、2014年から携帯電話が...
【週刊粧業2017年8月28日号14面にて掲載】 温度をコンセプトにした商品、今年は急増しています。 「フローフシ LIP38℃ リップトリートメント」(全5色、うち1色はWeb限定6.5ml 1600円、7月7日発売)は、すっぴん唇の体温を上げ、色気を放つ「38℃」の血色感を再現するというコンセプトで、独自の美容成分エンドミネラルが巡りにアプローチし、唇を38℃の色温度へ導くとか。また、人...
【週刊粧業2017年7月31日号4面にて掲載】 このコラムは化粧品企画のお役に立ちたいという気持ちで書いていますが、今回は、お菓子の話から始めたいと思います。 今年の5月、スナック菓子の「カール」が西日本以外での販売を8月生産分をもって取りやめるというニュースが流れました。西日本だけで売れているからいう理由ではなく、「四国明治」の生産拠点を一カ所に縮小することでブランドを存続させるということ...
【週刊粧業2017年6月26日号11面にて掲載 新製品を作るときに、いつも悩むことがあります。斬新なものが良いのか、共感されるものが良いのか。エッジの利いた斬新なものは、話題になりますし驚きを与えて強い印象が残りますし、勢いで買ってくれることもあります。 ところが、みなさんも実感されていると思いますが、話題になっただけで誰にも買われなかったり、勢いで1回だけ買ってくれたものの、リピートには繋...
【週刊粧業2017年5月22日号11面にて掲載】 ここ数年「防御ケア」がトレンドだったような気がします。紫外線はもちろん、花粉、ホコリ、大気汚染、ストレスなどをブロックするさまざまな商品が登場しました。 今年もその流れは続いていて、例えば「キールズ エッセンス ジェルマスクCL」(100ml 4700円、4月28日発売)などがあります。カレンデュラに含まれるフラボノイドが外的ストレスによるダ...
【週刊粧業2017年4月24日号5面にて掲載】 現在ベースメーク市場において、BBクリームやCCクリームは、定番化しています。これらは、一言で言えば、日やけ止めや化粧下地不要のライトファンデという位置づけです。定番化というと聞こえがいいですが、コモデティ化して激戦状態とも言えるでしょう。ちょっと高めの価格帯のブランドなら、BBやCCというより、新しいファンデとして訴求する方が引っかかりがある...
【週刊粧業2017年3月27日号4面にて掲載】 化粧品ビジネスにおいて、よく出てくるフレーズにプロダクトアウトとマーケットインがあります。これに関しては色々な考え方がありますが、それぞれ簡単に言い換えれば「新技術の製品化」をプロダクトアウトといい、「市場のニーズの製品化」をマーケットインといったところでしょうか。 ここで重要なのが、自社が目指すのはどちらのタイプか? ということではなく、「プ...
廣瀬知砂子
女性潮流研究所 所長 / 商品企画コンサルタント
実践をモットーとする化粧品コンサルタント
現場発想で生み出した独自の商品企画法やトレンド分析法で、大企業から中小企業まで多くのヒット商品を手がけている。
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