【週刊粧業2024年10月28日号9面にて掲載】 先月、韓国コスメの話題を取り上げ、多くの反響をいただきました。「韓国コスメはまだまだ好調」という現状は、確かに間違いではありません。ドラッグストアやショッピングモールに「韓国コスメコーナー」が設置されるなど、マス層への浸透は目覚ましいです。しかし、その一方で、トレンドに敏感な層には、ある種の「飽き」が見られるようになっているのも事実です。 美...
「韓国コスメブームは落ち着いたのでは?」という声もありますが、実際には韓国の影響力は増しています。日本輸入化粧品協会によると、2024年上半期の化粧品輸入額は韓国が首位で33.2%増の599億7000万円、フランスが2位で30.0%増の517億3000万円。韓国がフランスを超えたのは2022年で、輸入額は10年前の約6倍となっています。 韓国コスメの凄さは、デザイン、パッケージ、質感、コス...
【週刊粧業2024年9月2日号5面にて掲載】 2023年から2024年にかけて、美の概念がさらに深化し多様化しています。そこで、女性潮流研究所では1月~6月のメディアの見出しから美容に関するものだけを2年分抽出し、分析しました(対象は2024年が1435本で、2023年は1273本でした)。 皆さんが上半期に発売した商品やサービスは、このトレンドにうまく乗っていたのかどうか、ぜひ答え合わせを...
【週刊粧業2024年7月29日号7面にて掲載】 フレグランスの世界は、単なる「いい匂い」を超えて、豊かな物語と個性を表現する芸術へと進化しました。その変遷は、ネーミングの傾向からも読み取れます。かつてはゲランの「アクアアレゴリア」シリーズやシロ、ジョー マローンなど、原料を直接的に説明するシンプルなネーミングが主流でした。 しかし、その後「シャネル№5」や「ミスディオール」など、ブランドのア...
【週刊粧業2024年7月8日号58面にて掲載】 5月にセブン―イレブンから発売された韓国コスメブランド「クリオ」の姉妹ブランド「トゥインクルポップ」は、キラキラグリッターや涙袋ぷっくりアイシャドウなど、全22種類のラインナップで展開されています。 これは、2023年3月にローソンが限定発売した「アンドバイロムアンド」が、3日間で30万個を売り上げる成功を収めたことを受けた動きと見られます。業...
【週刊粧業2024年6月3日号19面にて掲載】 限られたコミュニティーの中の鍵アカウントで公開設定になっていないので、大人の目には全く入ってこないのですが、Z世代の行動観察をしていると、InstagramのストーリーやTikTokの動画、一定時間だけ投稿を共有するSnapchat、加工なしのリアルな瞬間を共有するBeRealなどで自撮りを頻繁に友達と送り合っていることに驚きます。一時期流行し...
【週刊粧業2023年11月27日号10面にて掲載】 2023年秋、大手国産ブランドにおいて「こすらない」をコンセプトとするユニークな商品が増えてきたように思います。 「KANEBO メロウ オフ ヴェイル」は、指を滑らせるだけで汚れを吸い上げる「ヴェイリングオフ技術」で、「こすりすぎたくないけれどもちゃんとメイクをオフしたい、しかし強い洗浄成分は避けたい」というニーズに応えます。 「プリマヴ...
【週刊粧業2023年10月30日号4面にて掲載】 コロナから解放されたはじめての秋、化粧品業界においてはどんな動きがあったでしょうか。通常、秋のメイクでは、ボルドー、パープル、オレンジ、ブラウン、グリーン、マスタードといった定番の秋色がありますが、今年はそれとは異なる動きが見られます。ズバリ、秋なのに曖昧色ブームです。 ファッション誌では「あたたかく淡色(GISELe10・11月号)」「旬な...
【週刊粧業2023年9月4日号10面にて掲載】 自己肯定感、自分らしさ、フェイスポジティブ……。これらは化粧品業界で現在注目を浴びている重要なテーマです。今回は、化粧品のマーケティングに関与する全ての人々が意識すべきポイントについて深く掘り下げ、詳しくお話ししたいと思います。 まず、「自分らしさ」という概念が今までと変化していることに注意する必要があります。「自分らしさ」という言葉を聞くと、...
【週刊粧業2022年10月24日号10面にて掲載】 コロナ禍を経て、生活者の香りのリテラシーが上がり、この秋は、今までにない香りコンセプトの商品が見受けられました。 幅広いジャンルで紅茶が注目されているのが意外な発見でした。「ジルスチュアート オードミルクティーブレンド ローラーボール」(10 mL1980円)はラベンダー風味を加えたミルクティーの香り、「ネイチャーラボ モイストダイアン ダ...
【週刊粧業2022年9月12日号10面にて掲載】 化粧品ビジネスにおいて必要なのは、的確にトレンドをつかむことです。昨今、このトレンドの見極めが非常に難しくなっています。TikTokが火種となる一過性のトレンドが多発しているためです。 トレンドのことを○○ブームといいったように表現しますが、「ブーム」よりも短命に終わるトレンドを「ファッド」といいます。TikTokとYouTubeで一定期間に...
【週刊粧業2022年7月25日号6面にて掲載】 メーカーやメディアが「美白」という表現を控えるようになり、「透明感」という言葉が増加しています。 最近は「透明感を盛る」「透けたい」という変化球のキャッチコピーも出てきました。見出しの事例としては、「トーンアップ&透明感爆盛れの必須アイテム! ピンク&紫の優秀ハイライトをまとめました(BuzzFeed Kawaii5/19)」「〈目指せ透明度1...
【週刊粧業2022年4月25日号11面にて掲載】 化粧品やアパレルで展開しているグローバルブランドのベースメーク市場への参入が活発化しています。 今年の春、エルメスとルブタンというハイエンドなラグジュアリーブランドが本格参入しました。 エルメスは、「エルメス・プラン・エア」を3月1日より販売、クリスチャン ルブタンは、「フェティッシュ ルクッション」を4月15日に発売しました。フェティッシュ...
【週刊粧業2022年2月28日号16面にて掲載】 新型コロナウイルス感染症のパンデミックが3年目となりました。メークアップ製品を中心に、まだまだ厳しい状態が続いていますね。 そうした状況の中、どのような訴求で消費意欲のスイッチを押せばよいのでしょうか。雑誌やWebの見出しからヒントを探してみましょう。 若い世代向けのWebメディア・BuzzFeed Kawaiiは「見てるだけでうっとりしちゃ...
【週刊粧業2022年1月31日号8面にて掲載】 昨年の9月に「図解即戦力 化粧品業界のしくみと仕事がこれ1冊でしっかりわかる教科書(技術評論社)」を上梓したところ、化粧品業界の皆様から多くの反響をいただきました。改めて、人材育成について悩みを抱えている企業が多いことを実感した次第です。 大手メーカー、新興企業、異業種参入と規模はバラバラではありますが、「化粧品」という特殊な消費財(機能的価値...
【週刊粧業2021年11月15日号5面にて掲載】 香り市場に変化が起きています。2010年代初頭までは、モテ香水のような「他人にどう思われたいか?」という選び方が流行していましたが、今は自分らしさを重要視する女性が増えているようです。そしてこの秋には新たな動きがありました。 ジョー マローン ロンドンの「オレンジ ビター カ― ディフューザー」(5060円、11月19日限定発売)は、クリスマ...
【週刊粧業2021年9月20日号4面にて掲載】 昨今、化粧品業界の業界地図は大きく変わりました。最近、特に顕著なのが異業種企業やスタートアップの化粧品ビジネスへの参入が加速していることです。 今までの化粧品は、広告費や初期投資が大きな参入障壁と考えられていましたが、デジタルマーケティング支援企業や、小ロット生産が可能な国内外のOEM企業が増加し、また、SNSの普及による市場の成熟化により消費...
【週刊粧業2021年7月19日号14面にて掲載】 フェムテックに参入する企業の数がかなりの勢いで増えているそうです。 少し前に化粧品のスタートアップにチャレンジしていたような若い女性が、今はこの分野に果敢にチャレンジしています。 「フェムテック(femtech)」とは、女性(female)と、テクノロジー(technology)を組み合わせた造語です。フェムテック業界は、2025年までにグロ...
【週刊粧業2021年6月14日号9面にて掲載】 去年はJohnson&Johnsonが「ホワイトニング」の表記を取りやめるというニュースが駆け巡り、今年は花王が今後は「美白」の表現を使わないことを発表しました。そういった中で、世の中の美白表現はどのようになったのでしょうか。 4月に発売された雑誌では、「熱血! 美白ブートキャンプ(VoCE 6月号)」「2021年最新美白キーワード(M...
【週刊粧業2021年5月3日号10面にて掲載】 マスク生活で消費者に新しいインサイトが生まれています。最近のメディアの見出しから見つけた3つの兆しを紹介します。 1つ目に注目するのは、「上半顔 下半顔別ゾーニングスキンケア(MAQUIA5月号)」です。顔を上半分と下半分に分けて考えることは以前からありましたが、マスク時代の今は意識せざるを得ません。 「顔の土台・半顔メークの主役/眉コスメ大豊...
【週刊粧業2021年3月29日号12面にて掲載】 化粧品の大きなトレンドが生まれにくいご時世ですが、ちょっとずつ変化しているようです。今回は、女性潮流研究所の女性誌の定点観測で、これはちょっと今までとは違う動きだなと思った現象をいくつか紹介します。 メーク関連で気になったのが「最新の『似合うブラウン』を、自分のトーンに合わせて選んでみよう! イエベなら? ブルベなら? 2021春メイクは目元...
【週刊粧業2021年3月1日号4面にて掲載】 最近、どの企業のミーティングでも産みの苦しみを味わっています。消費意欲が落ち込んでいるためにトレンドが大きく動かないというのは、コロナ禍では当たり前の現象ですが、去年よりも今年の方が辛いのです。 振り返ってみると去年は、新しい生活に順応するために「マスクメイク」「おうち時間(スキンケアやワークアウト)」などのニューノーマル消費が新たな消費のスイッ...
【週刊粧業2021年2月1日号10面にて掲載】 かつてトレンド情報をキャッチするためには、日本の若い女性の動向を観測するだけで良かったのですが、Z世代の女性を中心に「おしゃれ」の発信源が「韓国」に移りつつある現在は、国内だけに目を向けるだけでは不十分になりました。 「今なりたいのは、おしゃれ顔韓国っぽあか抜けメイク(CanCam1月号)」「韓国でリアルにイケてるコスメReport(JJ1月号...
【週刊粧業2020年11月30日号4面にて掲載】 2020年はwithコロナによる激変の1年でしたが、SDGs意識が急激に高まった年でもありました。 これまで、SDGsはオシャレなモードメディアにおける局地的な潮流でしたが、今年後半からは一般的なメディアでも加速度的に登場頻度が増加しています。 『STORY』の「SDGs時代の、長く愛せるブランド名品」のほか、男性誌『Hot₋Dog PRES...
【週刊粧業2020年10月26日号10面にて掲載】 「目力」という言葉が今年の秋から本格的に復活しています。以下のように、あらゆるターゲットのメディアで頻出しています。 「濃くないのに盛れて、変わる。新時代の目力メイク!(non₋no10月号)」「肌と目ヂカラで作る 秋美人レッスン(VoCE10月号)」「目力が宿る洒落見えアイメイク(&ROSY10月号)」「アラフォーのための「目ヂカ...
この夏の美容記事では、マスク問題が目白押しでした。来年春夏の企画を進めている企業も多いと思うので、withマスクの美容市場を紐解いてみましょう。まず、気になる記事の見出しからです。 してても外してもちゃんと可愛い「マスクありきの夏メイク」(andGIRL8月号)、「マスク時代」のベストコスメ(HERS8月号)、マスクありきの今だから! 目元が主役! 夏の今っぽ顔LESSON(SPRiNG9...
【週刊粧業2020年7月20日号4面にて掲載】 米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソンが、アジアや中東で美白製品の一部の販売を中止することを決めたと、米ニューヨーク・タイムズ紙電子版が報じました。 このニュースは国内でも大きく取り上げられ、化粧品業界関係者だけではなく、SNSでも多くの人が話題にしていました。 化粧品会社の人は「アメリカは肌の色に敏感だから」「グローバル効能表示はすでに苦...
【週刊粧業2020年6月15日号12面にて掲載】 コロナ禍で、化粧品市場は大きく変わりました。インバウンド消費に頼れなくなったことはもちろん、マスク着用の常態化でメークに行動変容が起きました。 資生堂が想定した、コロナの影響から回復する2つのシナリオは、「ニュートラルシナリオで2021年」「ワーストシナリオで2023年」だそうですが、それまでボーッとしているわけにはいきません。時代の変化は新...
【週刊粧業2020年3月30日号4面にて掲載】 最近、女性誌の編集者へのヒアリングの際、「化粧品ブランドのタイアップ広告では『必ず人物を出してほしい』と言われるが、人選がとにかく大変」という話がありました。 今の時代、単に「綺麗だから憧れる」という人は求められていません。一方で、ディープな知識を持つ人や、身体を張って趣味の範疇を超えた活動をする人が注目を集めています。最近、女性たちの支持が高...
【週刊粧業2020年3月2日号5面にて掲載】 「激変! ビフォア・アフター 山口直美、eri著(ダイヤモンド社)」という美容本がひそかに売れています。 著者は、予約7カ月待ちの美容コーチングとヘアメークアップアドバイスを行う姉妹ユニットです。タイトルを見ると、ガラッと顔を変えたり、若返ったりする整形メークノウハウを紹介しているような印象受けますが、違うのです。 この本で紹介しているのは、自然...
廣瀬知砂子
女性潮流研究所 所長 / 商品企画コンサルタント
実践をモットーとする化粧品コンサルタント
現場発想で生み出した独自の商品企画法やトレンド分析法で、大企業から中小企業まで多くのヒット商品を手がけている。
紙面を探す
紙面を探す
レポートを探す
無料でダウンロード
カタログを探す
無料で見る
週刊/毎週月曜日発行
化粧品、日用品、医薬品、美容業、装粧品、エステティック等を中心とした生産・流通産業界の総合専門情報紙。
季刊/年4回
化粧品、日用品、アクセサリーなどの業界別の市場動向をはじめ、戦略、流通、経営、マーケティングを扱う情報専門誌。
週刊/毎週月曜日発行
化粧品、トイレタリー、石鹸、歯磨、日用品に関する情報の速報版。業界のエグゼクティブ必読の情報紙。
週刊/毎週月曜日発行
昭和33年に創刊された、わが国初の訪問販売化粧品業界の専門情報紙。